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2015-16Autumn&Winter GDS見本市レポート

キーワードはマスキュリン、コンフォート、スポーティー

メーカーとショップが情報を共有する場に

1.情報発信型の見本市へ 2015−16年秋冬国際靴&雑貨見本市GDS(tag it!併催)が、2月4日から3日間の日程で、ドイツ・デュッセフドルフ見本市会場で開催された。
 前回、情報発信型の見本市として新コンセプト、新日程で新たなスタートを切ったGDSは、秋冬コレクションとしては初の2月開催となり、国際靴見本市開幕の先頭を切った。
 出展社は900ブランドが出展と前回とほぼ変わりないが、tag it!は160社と大幅減少で、今回は16、17号館のみでの展示となった。今回新たに設けられた若手ブランドを集積したデザイン・トレンドセッターには、日本から「そのみつ」「テツヤ・ウエノベ」の2ブランドが出展した。
 来場者数は前回から具体的な数字の公表はなく、前回よりも増加したと公式発表されたが、日本人来場者は少なかった。
 メッセ・デュッセルドルフのW・ドーンシャイト社長は次のようにコメントしている。
「新しいGDSは、メーカーとショップが情報を共有する貴重な場であり、双方とも前向きな姿勢が見られました。前回より来場者も増えたことはポジティブなサインであり、将来的な展望は明るいと見ています」。
2.デザイン・トレンドセッターに出展した「そのみつ」

トレンド、クラフトマンシップをフォーカス

 初日に行われたプレスウォークでは、老舗ブランドやスポーティブランドのブース訪問、ファッションショー見学を通して、今シーズンのトレンドやハイクオリティブランドをアピールした。
 最後にファッションブランドが集積するSTUDIOゾーンの9号館に配置されたデザイン・トレンドセッターで、出展デザイナーのトークショーが行われた。

3.機能とファッションが融合したルームシューズ

「Giesswein」(ジエッセン)
 40年間ファミリーで経営しているオーストリアのルームシューズメーカー。ウォータープルーフのウールを使った機能的でトレンド性のあるコレクション。



「Lloyd」(ロイド)4.細かなスタンプのレザーが人気
 1888年創業のドイツ老舗メンズメーカー。ドイツの専門誌「TexilWirtschft Magagine」2014年小売部門で1位を獲得した。
 特別な仕上げはハンドメイドで行っており、人気のビジネスシューズは新しい雰囲気の素材や個性的な仕上げだ。



「Skechers」(スケッチャーズ)5.進化したスニーカー
 カップインソールを使ってコンフォート性をアップ。3Dやステッチデザインがトレンドで、よりライトになった。




「Sebago」(セバゴ)
 1946年創業のモカシンブランド。すべてハンドメイド生産で、キューバやプエル・トリコなどに生産拠点がある。



デザイン・トレンドセッター<gークショー

7.デザイナーがそれぞれの思いを語った 初の試みとなったデザイン・トレンドセッター=B世界中から厳選されたシューズ・バッグ20ブランドが展示された。審査員の一人でもあるシューズデザイナーのエルネスト・エスポジト氏とともに5人のデザイナーが参加してトークショーを行った。
GDS出展に関して「ショップとコンタクトを取る有効的な場であり、世界中のバイヤーに見てもらえる良い機会」と一同の声が一致。さらに「新しいブランドを発信していくために大切なことは?」との問いに対して「有名ブランドとは競争できないので、パーソナリティを知ってもらうこと」「消費者の声を聞くこと」「ソーシャルメディアも重要」という回答があった。
 「商品作りに大切なことは?」に対してエスポジト氏は「クオリティ。その為には良いテクニックを持つ職人、そして靴メーカーが大切。ミドルクオリティも大切」と語っていた。


トレンドスタイル

 カラートレンドでは、”ミッドナイト””アーリー・ダウン””ハイ・ヌーン”と3つのキーワードが上げられている。夜中の空の色、例えば黒にシャイニーな素材、夜明けではグレーのグラデーション、インドの夏や南米をイメージしたエスニックカラーが注目カラー。
 アイテム別に見るとマスキュリンスタイルに合わせるローファーやチェルシーブーツ、60年代スタイルにフィットするウェスタン、”コンフォート””スポーティー”ははずせないキーワードだ。
 メンズではカジュアルが人気でユニセックスアイテムも増えている。ドレスではレースアップブーツやチェルシースタイル、エラスティックソール、マテリアルミックスとモード感が満載。


カジュアルのスタイルを引き締めるドレスシューズ     注目のモダンエスニック      グレイッシュにまとめたスタイル


注目ブランドの秋冬スタイル

「Dr.Martens」(ドクターマーチン)
 定番デザインにカラーやエナメルのバリエーションで、カラフルなコレクション。新しいフラワープリント、リザード、スネイクプリントのソフトレザーが加わった。さらにヒールアップコレクションも充実している。
 今シーズンはオフィスコレクションとしてメンズではスリムなブローグやチェルシー、レディスではマーチンソールを使用したトラッドデザインが提案されている。


「Ganter」(ガンター)
 ヨーロッパでは細身の木型の人が増えており、ウィズF木型の新商品、その一方で幅広ウィズKの木型で見た目が美しく若々しい商品が加わった。
 ブラウンを中心としたカラーリング、トウとかかとに磨きを入れた仕上げ、抑えたメタリックが出ている。今回も可能な限り軽い靴を追求している。