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2015-16 Autumn&Winter Collection ミカム見本市レポート
「シック&ダーク」になったコレクション

ミラノファッションに先行したシューズトレンド発信

 2015〜16年秋冬靴見本市であるミカムは、2週間前倒しの2月14日から4日間の日程で、ミラノ・ロー見本市会場にて開催された。通常はミラノファッションウィーク後の開催であったが、今回はコレクション前にシューズトレンドを発信する形となった。
 出展社は前年同期より73社減の1516社(国外629社)となり、日本でも人気の「サルトル」が姿を消し、ショールームでのプレゼンテーションのみとなった。その一方で、新しいデザインチームとなった「ステファン・ケリアン」がヴィジターズエリアに復活した。
 来場者は前年同期より微減の3万2112人(国外1万5697人)で、4年ぶりにイタリア人来場者が外国人を上回った。ロシア、ウクライナ情勢は相変わらず厳しい状況が続き、前年同期の半数となり、その一方で外国人来場者トップのスペインやポルトガルからの来場者が増加した。
 イタリア靴メーカー協会のクレト・サグリパンティ会長は、「ミカムは、靴のファッショントレンドに触れることのできる重要な国際的見本市であり、業界人を魅了する場である。ロシア、ウクライナ危機の影響は続いているが、イタリア人バイヤーが戻ってきたのはポジティブな傾向であり、主要メーカーやバイヤーにとってはビジネスの場であることを確認した」とコメントしている。

新生ミカムへの評価

 新生ミカムが大きく変わったのはスケジュール。3月に行われていた秋冬展が2月中旬の開催となり、春夏展よりも「早すぎる」という出展社の声が多かった。さらにアメリカの見本市マジックと重なるため、早めに会場を移動するバイヤーの姿もあった。
 日程について「特別影響はない」と語っている常連日本人バイヤーはいるものの、全体的に日本人の姿は例年に比べて少なく、パラブーツの輸入総代理店となっているGMTは「セレクトショップや地方の専門店が来ていない」という。
 今回は会場内でファッションショーを行い、来場者へのサービス向上を図ったが、出展ブランドがエンディングロールのみではなく、ショーの中でもブランドが紹介されていれば、より効果的なものになったのはという印象が残る。 


<商品傾向>

進化したトラディショナルデザイン

展示会の印象を 「ダーク」と表現するように、今シーズンはブラック、ブラウンカラーを基調としたシックな雰囲気のコレクションとなっている。
 厚底ソールを採用したスポーティームードの商品は継続しており、人気のサイドゴアブーツは異素材コンビを同色でまとめたもの、プリントポニーでポップな雰囲気を出したものなど、素材で変化をつけている。 
 今シーズンは素材感で新しさを表現しており、ブローグ、ローファー、モンクストラップとトラディショナルデザインをベースに、異素材のコンビネーションや大胆なモチーフの型押しなど、進化したトラッドが提案されている。
 トウラインはソフトポインテッドからラウンドや、徐々にスクエアへ移行しているようだ。
 主役のブラックカラーはスムースレザーやヌバックにガラス、エナメル、シャイニー素材を組み合わせることで変化をつけており、デザイン系ではメッシュやヒールとのコントラストを楽しんでいる。
 コニャック、バーガンディ、ダークグリーンと全体的に深みのある色合いが多く、ワインや深みのあるレッドなどがポイントカラーとして提案されている。


注目アイテム

 
 ローファーデザイン

 トラディショナルデザインの中で特に注目されるのがローファー。ソールや素材を大胆に採用してネオトラディショナルを表現している。


 フリンジ

ウェスタンの木型にチャンキーヒールを使ったモダンウェスタンが登場している。フリンジはカウガールにはずせないデザイン。

 
ファンタジーポニー

 アニマルプリントやカラーリングでファンタジーあふれるポニーの採用が豊富。全体的、部分使いと多様化している。


 
ボルドー、レッド

全体的にダークトーンなので赤をポイントに入れてみた、という「メグミ・オチ」。いずれも深みのある色合いで表現されている。
 
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