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ショップ紹介
パンジー 代官山店(東京・渋谷区)
はきやすさと軽さのサプライズ感が人気を呼ぶ

 「パンジー 代官山店」は、おしゃれなブティックやカフェが並ぶ東京・渋谷の代官山の一角にある。東急東横線の代官山駅につながる歩道橋を降りてすぐの角地という、なかなかの好立地。2012年11月にオープン、あと半年で3周年を迎える。パンジーの直営店は東京都にとその近郊に12店舗、代官山店は5号店にあたる。
 顧客は近隣の主婦やOLが中心だが、東急線沿線の自由が丘や大岡山などの神奈川県から、また副都心線を使った埼玉県からの人たちも多い。また、4月17日店舗すぐ後ろに商業施設「ログロード」がオープン、キリンビールのブルワリーなどもあって集客力を上げている。この影響もあって、週末は多くの来店客で込み合うようになり、売上げも上昇中だ。

最初に「どんな靴がほしいのか」問いかける

 来店客は幅広いが、多くが40〜60代。話し好きで、気さくな人たちが多い。店をあずかる神谷文枝さんは、まず「どうぞごらんになって、おはきになってみてください。軽くてはきやすいですよ」と声掛けする。
 代官山は、多くのラグジュアリーブランドの旗艦店も立ち並ぶ。その服を見慣れた目からすれば、パンジーの3130円、4210円という価格はいかにも安い。まず「えっ、この靴がこの価格?」とまず驚き、はいてみると「あら、軽いわね」「クッションが効いているわ」ともう一度驚く。このサプライズ感が、購入への原動力となっている。
 とはいえ、それぞれのシチュエーションはさまざま。「事務所で、ずっとこれをはいていたの。探していたのよ」と、「パンジーオフィス」を手に取る人、「入院するので、はきやすい院内ばきがほしいの」という人、「幅の狭い靴を探しているのですが、なかなかなくて」という人などなど。
 だから神谷さんは、「どういった靴を探しているのか」をまず聞くことにしている。それからニーズに合ったものをお勧めし、はいて歩いてもらう。その間に「防水設計になっていますよ」など、さりげなく機能について説明する。お好みがあるので無理強いはしないようにしているという。
 神谷さんには飲食店を経営していたキャリアがあるだけに、接客力はなかなかのものだ。「あなたがいるから買いに来た」という固定客もすくなくない。昨年6月に起きた洪水時に、次のようなエピソードがある。店舗は一段低くなっていたために水が流れ込み、たいへんな騒ぎになった。そのときに近隣の人や顧客たちが手伝いに駆けつけてくれたという。パンジーのショップは、すっかり地域に定着しているのである。

まとめ買いをよぶパンジーオフィス

  売れ筋は、まず「パンジーオフィス」。アッパーにはストレッチ性と撥水性があり、汚れにくい。ストレッチが効いているので、足幅が狭くても広めでもきちんとフィットし、外反母趾にも優しい。ホテルでの催事の際には、立ち仕事をする女性たちが数足まとめ買いをしていったという。
  
次に、シーズン的なものはあるのだがレイン関係が売れている。全天候型のフラットシューズのほかに、しっかりしたレインブーツもある。ソールとアッパーのカラーが異なるおしゃれなデザインで、ファスナーがあってぬぎはきしやすい。雨の日だけでなく、冬にはブーツとしても活用できる。さらに、ウォーキング系の靴はその軽さと歩きやすさで人気がある。
  季節的なものでは、インソールの抗菌作用が効いているスリッポンやサンダルなど。店頭に置かれているので、通りがかりの人たちが目を留め、購入していく。
  品ぞろえは基本的に本部からの指示による。本部から定期的に巡回があり、フェースや品ぞろえを見直していく。
  「いろいろな方々とお話しできるのが楽しい。みなさん声をかけてくださるし、お客さまとお友達になることもできますし」と神谷さんはいう。家業の飲食店は畳んだが、ここで新天地を見つけたようだ。

パンジー 代官山店(5号店)
東京都渋谷区代官山町13-4
TEL/FAX: 03−3496−6288