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特集 40アップ・シューズ
・これまでミセス向けの商品として提案されていたコンフォートシューズ。その主客層は60代であった。
・市場でのスニーカー人気やカジュアル系の商品が人気になる中、足に優しい、はき良い靴が幅広い層に求められるようになっている。
・コンフォートシューズのはき心地を取り込んだ機能シューズは、40代から上の層=フォーティ・アップ層にもはかれるようになっている。
・ここでは、はき心地と同時に、おしゃれなデザイン、トレンドを感じさせる色や素材使いも求められている。

売場レポート

島屋玉川店 (東京・世田谷区)

シェフのスタイルで靴の調整をする「シューキッチン」に人気


 島屋玉川店は、昨年8月末に婦人靴売場を1階から2階に移設し、284uに増床した。以前は離れた場所にあったコンフォートコーナーを売場内に取り込み、買い回りしやすい売場にした結果、コンフォートシューズの売上げは対前年比+5%と堅調に推移している。
 売れ筋ブランドは、「アルカ」「ビューフォート」「ペダラ」「アラヴォン」「コンポジション9」「菊池の靴」など。顧客層は50代の女性が中心で、周辺の高級住宅地に住む主婦層が多い。客単価は2万円程度。
 「少しヒールがあって、おしゃれに見えるものの人気が高いですね。重く見えて男性的な形は敬遠され、スタイリッシュではきやすい靴が選ばれます。ビューフォートやコンポジション9は大きなリボンや花などのモチーフ使いが特色で、お客さまはそこにまず目を止められます。幅にゆとりがある靴でも、広がって見えるのは嫌。でもかわいいモチーフでカバーできていれば、気に入っていただけますし、お勧めしやすいです」(販売第2部婦人靴・ハンドバッグ売場ストアバイヤー 青山綾子課長)
 改装時の目玉の一つが、「シュリット」社の「アルカシューキッチン」の導入だ。オープンキッチンスタイルの靴の調整・リペア店で、カウンターの中で働くスタッフの服装は赤いコックタイも鮮やかなシェフそのまま。「靴は食べ物と同じように、体に影響を与えるもの。食材と同様に、お客さまの靴を大切に扱おう」と、まるで料理店のようなスタイルを選んだ。シューキッチンは2011年にスタートした業界で、全国に5店舗を展開する。
 シューキッチンの脇のコーナーでは、足と靴の専門知識を持つシューカウンセラーが足の状態や体のバランスを見てアルカの靴を紹介。フットプリントをとって、足の状態をチェックし、すぐインソールなどで調整してくれる。最初は「ここは何?」と不思議そうに見ていた来店客が、「とても悩んでいるので、ぜひチェックしてください」と直接やってくるようになってきた。認知度が上がった証拠であろう。
 同店のコンフォート系シューズは、売上げ全体の3分の1を占めるまでになった。 今は通販でも靴が買える時代だ。その中で百貨店に来店したのは、しっかり試しばきして自分に合った靴を買いたいからだ。「お客さまのお悩みをしっかりと受け止め、コミュニケーションをとりながら品ぞろえを考えていきたい」と、青山課長は考えている。