川崎智枝(CIENOWA コミュニケーション)
今年は革や素材高騰の影響を受けて各社がさまざまな工夫を凝らした。異素材や小ぶりサイズなどを増やしたり、本物志向の方に向けたハイクオリティラインを手掛ける所も。
アイテム傾向では、70年代調のシルエットから巾着型ショルダーやフリンジ使い、デニム調が人気に。サイズはより小さくなり、“身軽がおしゃれ”な時代になった。秋には小物で色を効かせるのではなく、コーディネイトで色目を揃える“なじませカラー”が登場。
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リュック
レディス&メンズ |
昨年に引き続き、再びリュックが一位に。男性、女性ともにリュックがコーディネイトに欠かせない存在となった。特に女子の「真っ黒デカリュック」がスマッシュヒット。あえて可愛らしいスタイルに合わせてアンバランス感を楽しむ。同時に小ぶり、スクエア、ロールタイプなどのバリエーションも増加。メンズでは20代30代だけでなく、大人世代へもレザーリュックなどが広がった。素材感やディテールにこだわったデザインや、高機能ナイロンブランドを使用したシリーズなども浮上し、シーンとユーザーを広げた。 |
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ホワイト&ブラック
レディス&メンズ |
モノトーンカラーが席巻した今年のバッグ。1位のリュックでも真っ黒、真っ白のタイプは大人気アイテムに。特に若い人たちの「ノームコア」的ファッションには、あまり色を加えないシンプルなコーディネイトが人気が高かったと言えそう。モノトーン系として同様に「グレー」も人気に(なじませカラー参照)。トレンドカラーのネイビーやカーキとも合わせやすかったことも大きい。 |
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巾着フォルム
レディス&メンズ |
去年も注目されていたが、70年代調の流れで不可欠だったのが巾着型。長めのフリンジがついた小ぶりサイズを、肩にストレート掛けしたスタイルが今年らしい。加えて、ユニセックスなナップサック型、ボンサックな型どへとアイテムも徐々に進化し、レディスのみならずメンズにも浸透している。来年も進化型の巾着フォルムが期待できそう。 |
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ミニショルダー
レディス&メンズ |
今年は「身軽がおしゃれ」とでも言えるほどの、ミニショルダーブーム。「半月型」と呼ばれるハーフムーンショルダー、薄マチのクラッチショルダーなどアクセサリー感覚で身に付けるショルダーが人気に。
メンズではボディバッグが一巡し、その後の新しいフォルムとしてミニショルダー「サコシュ」が浮上。ここでも薄マチ、小ぶり、斜め掛けなどのシンプルな機能性が支持され、“ポスト・ボディバッグ”として今後も拡大が期待。 |
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フリンジ使い
レディス |
特にレディスではフォークロア調のテイストが春夏から継続。動きのある表情が人気のフリンジは欠かせないディテールのひとつとなった。今期のフリンジ使いは長めで、ボディは小さ目がポイント。ショルダーだけでなく、クラッチやリュックにもフリンジをあしらったものが登場。 |
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コンサバナイロン
レディス&メンズ |
ナイロンやテキスタイル素材は引き続き注目されたシーズン。中でも革の分量が多く、タウンで持っても映えるエレガントなデザインやフォルム感が不可欠に。またミセスにとっては「軽量感」も重要なキーワード。軽さや機能性など、革とは違う新しい付加価値が提案された。 |
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口折れタイプ
メンズ |
リュックから派生した“口折れ”ディテールが、トートへと拡大。ビジネスシーンでトートバッグを持つ男性が増えてきた中、あまりカジュアル過ぎず、落ち着いた雰囲気を出せる「口折れ」トートが浮上。シンプルなデザインだけでなく、テープやベルトなどで遊んだディテールも人気に。 |
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なじませカラー
レディス |
特に秋になってからは、色でメリハリを効かせるのではなく、全体にカラーとトーンを合わせる“なじませ”コーディネイトが拡大。バッグの色はあまり浮き過ぎないことがポイントに。そこで重要なのが「カーキ」「ネイビー」「グレー」「モノトーン」といった、渋めカラー。これらをベースに「ダークオレンジ」や「ボルドー」などと共に全体をひとつのトーンで“なじませる”コーディネイトが人気になった。 |
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ナップサック
メンズ |
巾着フォルムの人気を受けて、口元を絞ったナップサック型のフォルムがメンズに広がった。かっちりしすぎずリラックス感を楽しめるアイテムということもあり、若い層を中心に取り入れられた。その延長線として、口元を絞る「ボンサック」も一部で人気を博した。リュックやボディに飽きた層には、新鮮に映ったようだ。 |
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ムートン、ハラコ調
レディス |
久しぶりにボリューミーなムートンが動いたシーズン。比較的ミセス世代に支持されたようだ。“もこもこ素材”の可愛らしさと、アクセサリー感覚で取り入れられる点が人気。このところシンプルで辛口なアイテムが目立つため、揺り戻しで女性らしく甘めディテールを求める人が増えてきた模様。 |
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