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Autumn&Winter2016-17ミカム見本市レポート 多様化するウエスタンフォーム

ロシアからの来場者が戻る

 2016〜17年秋冬靴見本市、第81回ミカムが、2月14日から4日間の日程でミラノ・ロー見本市会場にて開催された。
 初日は聖ヴァレンタインの日でもあり、出展社や関係者を招待した「レッド・パッション・ナイト」では、着席スタイルのディナーにミカムアワード表彰式、歌やパフォーマンスで盛り上がった。
 出展社数は昨年同期より60社減の1456社(国外635社)、出展面積は6万4144uとさらにコンパクトになった。
 来場者は、昨年同期比1・8%増の3万2703人で、イタリア国外からは130ヵ国から1万6343人が来場した。上位来場者のスペイン、ドイツ、フランスは12・5%増加、ロシアからも13%の増加となり、久しぶりにロシアや周辺国からの来場者が増えた。
 この結果に対してイタリア靴メーカー協会のアンナリタ・ピロッティ会長は「2015年の状況から、確かな自信が持てないままスタートした見本市ですが、靴業界において国際的レベルで最も重要なビジネスの場である事を確認し、大変満足しています」とコメントしている。


ファッション系ブランドの見本市離れ

 シューズビジネスにとって、重要な国際見本市という位置付けを確立しているように見えるミカムだが、近年は、ショールームでの展示のみに切り替えるファッション系ブランドが増えている。
 海外のトップファッションが集積するインターナショナルエリアも、ファッションに特化しているというボーダーラインが一時に比べて曖昧になっているようだ。
 「ラグジュアリー」がコンセプトの1号館に出展している「カスタニエール」では、「ミカムに来るクライアントは減っています。市内にショールームを開設することも念頭に置き、展示会出展への見直しを考えています」と語っている。



 商品傾向

シルエット重視のデザイン

 異常気象、温暖化による影響で「秋冬はブーツ」という概念が崩れつつある。その証拠にファッション系ブランドでは、オープントウブーツ、ファーやウールを使ったサンダルなどシーズンレス商品が増えている。
 厚底シューズ、スニーカーは定番的に提案されており、ブーツではウエスタンを基調にした表現が広がっている。トレンドの変化はほとんど見られないなかで、曲線やグラフィックをデザインに採用したシルエットにこだわった商品が増えている。
 カラーでは、昨シーズン提案されていたレッド系からバーガンディ、レンガカラーと赤味がプラスされたブラウン系へと移行している。さらに、ブラックも重要カラーで、異素材とのコンビネーション、バイカラーとブラックをベースとしたデザインが広がっている。



注目アイテム

 ウエスタンフォーム

 「ファッション系はウエスタンがきています」とブッテロの担当者が語るように、ウエスタンフォームに素材やパーツで変化をつけたデザインが多様に提案されている。
 ブーツ丈はロングではなく、ショートからミディアムが主流のようだ。




 モード+トラッドデザイン

 ローファーやブローグ(爪先飾り)などトラッドデザインを厚底ソールや素材でモダンに仕上げたスタイル。ヒールアップでフェミニンにまとめたデザインが人気。





 ボタンパーツ

 グラフィック的な要素がデザインに反映されている中で、ボタンをポイントに使ったデザインが目立つ。レトロからフューチャリックまで幅広い。




 バイカラー

 白×黒は今シーズンのトレンド。黒をベースにストロングカラーを使ったバイカラーも提案されている。