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2017Spring&Summer LINEAPELLE リネアペッレ・レポート

出展社、来場者ともに増加する

2017年春夏素材見本市・リネアペッレは、2月23日から3日間の日程で、イタリア・ミラノのロー見本市会場で開催された。通常、最終日は学生の見学者が大半を占めるが、今回は3日目まで熱心に商談をする来場者の姿が多く見られた。
出展社は、昨年同期比6%増の1155社だった。外国からは43ヵ国から11%増の405社が参加、合計4万3400m2のブースに最新素材を発表した。内訳はタンナー532社、アクセサリー&コンポーネント430社、ノンレザー135社、化学薬品22社、デザイナー・学校他36社となった。
来場者は、昨年同期比8%増の2万1715人。イタリア国内からは4%増の1万1964人、外国からは14%増の9769人となり、いずれもポジティブな結果に終わった。


 素材トレンド Material Trend

表現広がるパステルカラー

型押し、パンチング、メタリック、3Dと秋冬から続いているあらゆる加工が、パステルカラーで表現されている。植物タンニンなめしレザーでパステルカラーの色出しは難しいとされるが、ラ・ブレターニャ社では、ペルーのタラを使って淡い色出しに成功している。
ガイエラ・ジョバンニ社では、パステルカラー、さらにコンビネーションで使われるブラックも重要なカラーと答えている。









 レザートレンド Leather Trend

カラー Color                                        

注目はブルー系
ブルー、ピンク、グリーンと幅広いカラーリングがパステルカラーで表現されている。同色系で強い色合いも提案されており、カラーコントラストがトレンドとなる気配を予感させる。中でも特に注目されるのがブルー系のカラーリング。スカイブルー、アクアマリン、ラピスラズリと透明感のあるものから強い印象のものまで多様だ。






テクニック Technique                                        

立体感のあるテクニック
前シーズンから続いている型押し、パンチングのバリエーションが広がっている。ミクロからマクロスタンプ、3Dや玉飾りのような立体的な仕上げ、メッシュも多彩に提案されている。メタリックは根強い人気で、ミラーやグリッター加工が目立つ。



ノン・レザー Non Leather                                        

メッシュのバリエーション広がる
PVC×コットン、ポリエステル×コットン、メタリック×ナチュラル素材、異素材コンビやカラフルコンビと、メッシュのバリエーションが広がっている。
マリンストライプのキャンバス、デニム、水玉は常に人気の素材。ミラーメタリックは強くて明るいカラーが提案されている。



コンポーネント Component                                        

ナチュラルにメタリックをプラス「TacchificioMonti」
ホワイトにゴールド、ウッドにシルバーのパーツを施したブロックヒールが新しく提案されている。コーンヒールも存在感のあるボリューム。



 トピックス

ヴィヴラム社「Vibram」 アッパー用のラバーを開発

デザイナーやブランドとの個々でのコラボレーションスタイルが広がっており、全体ではモルフレックスソールのカラー4色展開、新しい配合のアクティブグリップが新しく提案されている。さらに、”ラグジュアリーラバー”としてアッパー用に使用できるラバーを開発、新しいスポーツシューズへの採用に注目が集まっている。



「クラフト・ザ・レザー」2015作品コンテストを開催

植物タンニンなめし協会がオーガナイズしている‟クラフト・ザ・レザー”。2015年に行われたワークショップで製作された作品がリネアペッレ会場に展示された。デザインを学ぶ各国から選ばれた学生10名の作品が並び、来場者が投票するという形式。1000枚用意された投票用紙は、3日間ですべてなくなった。
オンライン上でも並行して投票が行われたが、1位に選ばれたのは、ロンドンのセントラル・セント・マーチン大学で学ぶマリア・ソーレ・フェラガモさん。彼女には1年間の奨学金が与えられる。