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2016年秋冬シューズ バイヤーに聞く、秋冬MD計画
15年秋冬商戦は暖冬の影響もあり、ブーツ需要に盛り上がりを欠いた。16年秋冬はどう臨むのか。百貨店、チェーン店のバイヤーに秋冬のMD計画を聞いた。


そごう横浜店 婦人雑貨部 
店舗マーチャンダイザー上坂 一広さん


コーディネイトしやすいポインテッド・ブーティに注力

 今春夏、よく動いているアイテムには、甲深タイプのラップサンダル、ミュールサンダルなどがあります。
 秋冬のMD計画で核となるカテゴリーは、近年不振だったが、ポインテッドトウのブーティなど、ディテールにこだわったエレガンス・カテゴリーです。
 期待するアイテムは、ミドルレングスのブーツ(膝下丈)。その理由は、ファッションの流れでもあるガウチョパンツやスカウチョなどのボトムスにコーディネイトしやすいためです。アンダーニーブーツがよさそうです。
 ブーツの注力アイテムとしては、ハーフレングスやミドルレングスのブーツのような、タンス在庫に持っていない丈のブーツです。ただし、主力となるのはブーティ(踝丈)だとみています。
 注目するブランドは、「クリスチャン・ルブタン」や「ジミーチュウ」などメジャーブランドです。



松屋銀座
婦人靴、靴下、ハンドバッグ・専任係長
 
佐藤麻由美さん


主力はカジュアルでも、エレガンス回帰に注目

 今春夏の販売状況は、前年を上回っており、順調に伸びています。好調なアイテムは、ポインテッドのカッター、スリッポン、ボリューミィサンダルなど。同サンダルは、ウエッジソールタイプ、甲が深くおおわれているタイプが人気です。また、プレーンなパンプスのベージュ系は、継続して好調である。
 秋冬MDの核となるカテゴリーは、引き続きカジュアル、マニッシュだと考えています。同時にエレガンス回帰を反映したパンプスにも注目しています。
 秋冬期待するアイテムは、ファーが付いたパンプスや、あらゆる部分にファーがあしらわれたデザインといったところ。
 ブーツは、ロングブーツの展開は引き続き少なく、ショートブーツ中心となる見通しです。ショートブーツ、ブーティとパンプスの間の、深ものをバリエーション豊富に展開する計画です。
 注目するブランドは「ペリーコ」。同ブランドでは、エレガンス需要を見越してハイヒールを展開します。また、「マリークラブ」のイタリアンレザーを使用したショートブーツにも注目しています。さらに「モモン」は、今までとは少し違うテイストのインポートで、マニッシュシューズとして期待しています。



東武百貨店池袋店
婦人服飾雑貨・特選部 自主運営第二課 マネージャー
 
前田 貴史さん

クラシカルエレガンス、コンフォートスポーティーに注力

 今春夏、よく動いているアイテムは、カジュアルシューズやスニーカーなど全体にカジュアルが中心となっています。ただし、デザインはきれいめなエレガントとなっています。具体的には、ドライビングシューズのほか、ポインテッドトウ、パンチング使いなど。カラーはホワイト、ベージュ、ネイビー、シルバーなど明るめが人気です。
 秋冬MDの核となるカテゴリーは、「クラシカルエレガンス」「コンフォートスポーティー」といったところ。デザインがだんだんとミックスされ、単なるエレガンスやスポーティーだけでは表現できないような、微妙なニュアンスが求められています。
 期待デザインは、レースアップで、カラーはボルドー、ネイビーなど。ヒールバリエーションも豊富になり、さまざまなヒール使いが動きそうです。
 ブーツに関しては、スタイリング提案として低調感は否めないようです。こうした中で、ブーティからショートブーツが主軸になる見通しをしています。また、革の質感やエレガントなシルエット、レースアップブーツなど、全体に洗練されたデザインに注目したい。