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ブランド CLOSE-UP




カラフルな起毛革カジュアルと履き心地の良さ。丁寧な接客販売で、ファン増やす


フランスの靴メーカー・アルシュは、2年後の2018年に創業50周年を迎える。一方、「アルシュ」ブランドを日本で販売するアルシュ梶i東京・墨田区、井関雅吉社長)も、今年で14年が経過する。
 発色のきれいな起毛革を使ったカラフルでソフトな感触の「アルシュ」。シーズン・トレンドをしっかり抑えながらも、フレキシブルなソールを使ったはき良さも大きな特徴だ。

直営店とパートナーショップを主力に展開

日本では「アルシュ」は靴専門店、百貨店、アパレル店などで販売される。地方専門店とパートナーショップ展開を進めるかたわら、有力百貨店にアルシュコーナーが20ヵ所ある。最近はポップアップ・ショップ(期間限定の販売)にも取り組んでおり、この8月には札幌三越にもショップがオープンする。
「フランス・マドレーヌのアルシュ店長から言われた『同じお客さまに2足目を買っていただいて、初めて本当に売ったことになる』という言葉に共感した。日本でもその売り方を大切にしている」(井関社長)というように、同社の販売姿勢は、ファンづくりを基本姿勢にしている。
「アルシュ」に精通した優秀な販売員を育て、顧客の良好な信頼関係が新規客を呼び込み、ブランドのファンをつくり続けている。百貨店からは、時には「接客時間が長すぎる」と言われることもある、と井関さんは笑う。

ニッチ市場での継続的な成長を目指す

多くのグローバル・ブランドが流通する中で、「アルシュ」の大きな特色は、自社工場で生産していること。このブランドのはき心地とスタイルを貫いているのが創業者の長女で、現社長のカトリーヌ・エレーヌさんだ。
フランス本社のミーティングでは、満足できない箇所があれば、その場で手直しを命じ、1時間後には新しいサンプルが上がってくるという。
日本市場に過大な期待をかけて、販売実績を性急に求めてくるインポートブランドと一線を画し、時間をかけても着実にファンをつくれる接客を優先する。このことが、市場の景気に左右されないブランドに成長している理由でもある。
日本のアルシュが掲げている目標の一つに、50周年続く会社になる≠ニいうスローガンがある。マーケティング優先したマス販売は考えていない。
 「都内の専門店でお聞きしたのですが、来店客が『今度、海外に好きな絵を見に行く。その場にふさわしい靴としてアルシュをはいていきたい』と言われたそうです。うれしいですね」(井関社長)。

以下続きは本誌に


  「(株)アルシュ」概要
・発  売:日本国内には40年前に初上陸
・アイテム:婦人を中心に紳士靴も展開
・生 産 国:フランス
・中心価格:3万〜4万円
・店舗展開:直営店8店(インショップ含む)
・住所:東京都墨田区本所3−7−9
     TEL 03・5637・9288
     FAX 03・5637・9287