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シューズ フロム イタリー


加工素材を使ったアッパーが目立つ17年春夏

第59回シューズ フロム イタリー展(2017年春夏コレクション)が、第49回モーダ・イタリア展と合同で、7月5〜7日の3日間、東京・ベルサール渋谷ガーデンで開催された。前回までの恵比寿・東京ウエスティンホテルとくらべて広いスペースに各社が集うことになり、来場者からは「見やすくなった」「他社と比較しやすい」という声が聞こえた一方で、出展社からは「ホテルの部屋と比べて落ち着かない」「価格交渉など、プライバシーが守れない」などの声があった。
シューズ関連の出展は67社。圧倒的だったのはスポーティの流れで、エレガントな高寸ヒールは影をひそめ、ローファーやきれいめなレザースニーカーが多く登場していた。目だったのは表面加工。ビジューなどオーナメントをつけて飾るというよりは、刺しゅう、カッティング、パンチング、型押しなどで素材そのものに付加価値をつけるというものだ。
メッシュなどのテクニックも多く登場していて、カーフ、シカ、雑材、テキスタイルとバリエーション豊かだった。「光る」というのも一つのキーワードで、シルバーやゴールドのラメ加工が続々と登場していた。
もう一つの特色がソール。ミクロソールというホワイトソールが多く見られた。やや厚底でも、軽く、スポーティな印象だ。

POINT 1  カッティング&パンチングによる表面変化
レザーをそのまま使わず、カッティングやパンチングで変化させる手法が多く見られた。手染めのアッパーにカッティングし、魚のウロコのような形状にしたもの(エミレ)など、一つひとつていねいな手作業により仕上げられているものも。


POINT 2 スポーティ
レザースニーカーが全盛を迎えている。メンズ・レディス問わず多く、オーソドックスな中にも変化を出す工夫も見られた。


POINTS 3 メッシュ素材
メッシュ素材も多かった。通常なら高級素材であるメッシュだが、おそらくは牛革高騰の影響からか、カーフばかりでなくシカやテキスタイルに至るまで、さまざまなマテリアルが使われていた。円高の影響もあり、価格的には通常よりもワンランク下がっている感覚になっている。


POINTS 4 「光る」
光る素材も注目ポイント。シルバー、ゴールドが中心だが、中にはマットな感覚に仕上げたものも。


POINTS 5 ホワイトソール
「ミクロソール」が売れている。とても軽く、厚底でも気にならない。切り込みを深く入れれば返りもいい。ゴムソールの3倍の価格という。


POINTS 6 ラウンドトウ
ポインテッドトウが全盛だが、そろそろラウンドトウが多く見かけられるようになった。