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特集 子供靴の売場づくりと人気商品

売場レポート

 アスビーキッズ イオンレイクタウン店(埼玉・越谷市)

より良い商品へのニーズが高く、コンサルティング接客で対応

イオンレイクタウン「MORI」ゾーンの端が、子供用品のショップが集まっているゾーンとなる。「アスビーキッズ」がここにオープンしたのは昨年11月末のことだ。売上げの6割がベビーからチャイルド、4割がジュニアシューズという。
アスビーキッズは現在、23店舗にまで拡大している。松尾春奈店長は、アスビーキッズの業態が立ち上がった5年前から吉祥寺店の店長を務めている。
「以前はアイテムもすくなく、すぐ大きくなるんだからと、低単価で、汚れたら洗えるようなものが求められていました。でも、今はネットなどで情報が豊富になり、加えて祖父母の意見もあって『ファーストシューズはこういうのがいいと聞いたんだけど』などと専門的な知識を求められます。販売する側も、勉強を怠るわけにはいきません。少子化ですが市場が広がり、より良い商品へのニーズが高まっています」(松尾店長)。
同店の顧客層はヤングファミリーが中心となる。商品知識が豊富で、販売はセミセルフではなく、コンサルティング接客が求められる。

接客には折り紙も使って親しみやすく

子供靴の人気商品としてあげられるのは、まずアシックスの「スクスク」だ。ミッドソールがなくて薄く、アウトソールがファーストシューズ向けになっていて歩きやすい。前部分が大きく開くので、はかせやすいこともポイントとなる。
ニューバランスも注目されている。面白いのは996、574など大人用の人気品番がそのまま子供靴として登場し、やはり人気を得ていることだ。両親が子供とおそろいではくというニーズが高いのだ。形としては少しゆったりめなので、ポチャッとした足の子供にはよい選択。ミズノも人気商品だ。「発育インソール」が入っていて、大人の足のように足裏のアーチを支える。
接客は、計測器で足の形や長さを測定することから。子供たちはじっとしていないので、両親に手伝ってもらいつつ測定する。計測器の周囲には、いろいろな折り紙がたくさん貼ってあるが、これも子供たちを飽きさせないため。大人の接客と違うのは一組の人数が多いこと。子供ばかりでなく両親や祖父母が一緒のときもあり、時間もかかるし、気も使う。
   
 アシックス「スクスク」、¥3,900  ニューバランス「996」、¥4,600  
     
   アシックス「スクスク」、¥4,800  ミズノ「発育インソール」装備、¥4,500

ブランドとサイズ指定で購入するジュニア層

一方で、ジュニアシューズで人気なのはアシックスの「レーザービーム」やアディダスの「アディダスファイト」など。サイズは19〜25cmまでで、幼稚園から小学校高学年まで対応する。このへんになると、レディスサイズとも重なってくる。機能はジョギング、ウォーキングとほぼ変わらない。通学用だが、体育の授業のときもこの靴でこなすのが一般的だ。
購入方法はベビーと違い、好みの靴やサイズがはっきりわかっていて指定されることが多い。フィッティングして合わなければ、別のものをお勧めする形になる。買い物に時間はかからず、スピーディに終わる。8月は運動会や新学期を控える時期で、学校行事ニーズに合わせて買い求めるケースが多い。
客単価はベビー、ジュニアとも4000円台。靴の平均的単価がそのくらいなのだ。販促は近くにあるアスビーと合わせて、割引クーポンなどを発行している。
「『MORI』ゾーンで唯一の子供靴専門店。他店はアパレルとともに提案していますが、当店はまだ歩けない子供から運動会で1等賞を取る子供の靴までそろえているのが強み。ただリモデルが多く、機能が付加されると価格も上がっていきます。『なぜ』と聞かれることも多いので、そこをしっかり説明して、ご両親の不安を解消してあげたいですね」。
求められている「先生のような」コンサルティング接客。そこに至るには商品知識だけではなく、子供たちの足やフィッティングに対する知識も不可欠だ。
       
 アシックス「レーザービーム」、¥3,700 ニューバランス「680」、¥4,900     
       
   「アディダスファイト」、¥3,300    「アディダスファイト」、¥4,490