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「足に合うまで何度でも無料で再調整しています」![]() 「靴を通じてお客さまの行動半径を広げるお手伝いをしたい」。そんなポリシーを実践しているのが、東京・国立市の靴の一歩堂だ。経営コンサルタントでもある店主の川井一平さんが店を開いたのは8年前。「自分は実戦経験のない士官だ」と自覚した川井さんは、地に足の着いた事業にチャレンジしたいと、JR国立駅から徒歩5分の旭通り商店街内に店を開いた。靴屋を選んだのは、靴が好きだったからだ。 まずは積極的にお客さまのお話を聞くことから豊富なコンサル経験ゆえに売るのは得意だったが、仕入れには自信がなかったという川井さんは、まずシューフィッターの資格を取得。足の計測に力を入れ、足型を取った上で両足14ヵ所以上を計測する。素人が靴を売っていくには具体的な数字を踏まえての提案が欠かせないと考えたからだ。アフターサービスにも力を入れている。 「足は変化するもの。良いと思ってお勧めしても、実際に歩いてみたら痛かったということはよくある。だから、店内に工房を設けて、ペロティ(靴に貼りつけるタイプのサポートグッズ)を靴底に入れるなど、足に合うまで何度でも無料で再調整しています」。 いざ店を開いてみて川井さんは、お客は自分が本当にほしいモノを知らないという実態を目の当たりにした。ナースサンダルを求めて来店したお客によく事情を聞くと、「ほしいのは足腰に負担がかからない靴だった」ということは珍しくない。 ![]() 扱いブランドは、ストレッチウォーカー、ドゥレアなど流行に影響されず、かつスタイリッシュなデザインでつくりのしっかりとした靴。平均価格は3万円台後半と決して安くはないが、価格に見合う価値とサービスを訴求。60歳を越えた女性たちを中心に、多くのリピーターを獲得している。 多彩な販促活動の結果国立になくてはならない店に![]() 「靴をお買い上げいただいたとしても年間2足がせいぜい。でも、毎月1回でも顔を出してもらえればプラス1足になるかもしれない。衝動買いを誘う仕掛けです」。 就職活動の時期には、「就活相談会」を実施し、靴を提案するだけでなく、面接のアドバイスも行っている。内定率はほぼ100%だそうだ。 自店がどんなに奮戦しても商店街全体の活気が失われれば影響が出るため、国立の商店街の活性化にも取り組み、同士を募って多彩な活動を繰り広げている。 「国立販促会議を立ち上げ、月に1〜2度、勉強会を開いています。5名から始まって現在は15〜16名に。町を元気にするために、お歳暮を国立の名物から選ぼうと働きかけるポスターを作成したり、自店のお客さまに商店街の別のお店を紹介する紹介状制度も始めました」。 紹介状をもって来店したお客には、割引ではなく「店の価値を高めるサービス」を提供するのが参加店のルール。靴の一歩堂の場合は靴墨を無料配布している。良い革の靴を販売する店であるとアピールするためのサービスだ。 クリスマスシーズンには、タキシードなどの正装でお客を迎える「国立コンシェルジュのクリスマス」を実施している。「2011年のスタート以来、参加店が増え、恒例行事になってきた」と川井氏。タキシードで迎えられると、お客のテンションは高まり、購買意欲や地元への愛着も駆り立てられる。コンサルとしての力量と靴屋の店主としての実戦経験が相乗効果となり、靴の一歩堂は国立になくてはならない店となった。
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