今月の記事・ピックアップ 2017・2
 HOME > フットウエアプレス >  地域専門店 SHOES & WEAR TAKATSUKA(横浜・保土ヶ谷区)
SHOES & WEAR TAKATSUKA(横浜・保土ヶ谷区)
「宝探し」的なワクワク感で集客するアメカジ業態の専門店

こだわりのアメカジウエアとレアものシューズでアピール

 「シューズ&ウエア タカツカ」は、横浜から相鉄線で15分ほどの西谷(にしや)駅商店街にある。創業は60年前、現在の高塚均社長は2代目となる。
 高塚社長がこの店舗を継いだのはまだ20代のころで、33年ほど前のことだ。アイビー、ハマトラ、サーファーなど当時の最先端のスタイルを遍歴し、ファッションショップの先頭に立ってきた。原宿でリーバイス501のビンテージに出会ったことから、ファッションに目覚めた高塚社長は、すっかりその世界に魅せられてしまう。家業を継いだ高塚社長の店舗に、こだわりのアメカジ(アメリカンカジュアル)ウエアが入ってきたのは、いわば当然のことなのだ。ウエアのブランドは、「チャムス」「チャンピオン」「カムコ」などである。
「感度のいいお店を見つけたり、展示会で知り合ったりすると、卸をやっていますか、とよく聞いていました。仕入先をどんどん開拓していった時期でしたね」(高塚均社長)
 もちろん、靴にもこだわる。90年代はじめには、「リーガル」がエージェントになった「ティンバーランド」を導入、92年には「レッドウィング」の代理店になっている。当時としては、先端的なブランドを入れていたといっていい。
 今もそのこだわりはある。スニーカーにはとくに注目し、日本ではあまり手に入らないものを入れている。すっかりポピュラーになった「ニューバランス」も、アメリカ製の1400、998をインポート。コンバースでは、他店にないブルースエードの「チャックテイラー」をハワイでピックアップ。看板商品であるレッドウィングでは、がっちりとしたエンジニアブーツを入れている。ライナーが茶色のいわゆる「茶芯」タイプだ。靴に対する知識は非常に豊富で、取り扱い企業の営業マンもたじたじとなる。
 「お客さまはほとんどがクチコミで来店されます。中には藤沢や栃木など、遠方から見える方も。『今日の予算は5万円です』といって、トップス、パンツからシューズまで全部そろえていく方もいらっしゃいます」。

店頭には普段ばき、店内には「ここにしかない」一足が

 こだわりのウエアもシューズも、主体はメンズ。ただし、「シューズ&ウエア タカツカ」は、地元密着型のショップでもある。地元の顧客はミドルからシニアの、ことに女性が多い。彼女たちはアメカジブランドやインポートシューズへの興味は薄い。そこで、ひとつの柱として「ハッシュパピー」のコーナーを置いている。知名度も高く、リピーターも多い。1年ほど前から「ハッシュパピー・パートナーショップ(HPPS)」となっている。ショップに入って左側がそのコーナーで、全体の3分の1を越える商品量となっている。
さらに店頭には、いわゆる「普段ばき」とよばれる低価格のサンダル、パンプス、スニーカー、スリッパが並ぶ。店頭の雰囲気から、店内のクオリティの高さは想像できない。



 このショップは、いわば「宝探し」的なおもしろさを持つ。古いジュークボックスの隣にかのジョン・レノンが愛したという「スプリングコート」のスニーカーがある。コンバースのカラフルなワーナーブラザーズとのコラボシリーズが何足も並んでいるそばに、「ビルケンシュトック」が置かれている。幅の細いナロータイプを別注したものだ。少し手前には、いかにもアメカジに合いそうな「レッドウィング」や「ダックフィート」のがっちりしたブーツもある。アメカジやスニーカーが好きな人には、たまらないだろう。
 その「宝探し感」は、店内のあちこちに置かれたフィギュアの隊列を見るときに、MAXに達する。アメカジにも靴にも関係なく、単に高塚社長の趣味なのだが、スターウォーズやレトロなアメリカンフィギュアなど、これはこれで別の世界が広がっている。ただしこれも売り物で、「また買えばいいと思うから、値段が合えば売ってしまう」そうだ。
 靴もウエアも、ネットで買える時代である。「シューズ&ウエア タカツカ」にはたくさんの「レアもの」があるが、それももしかしたら外国のサイトをよく見ればあるかもしれない。だが、「宝探しのわくわく感」だけは、絶対にこのショップでしか味わえない。

SHOES & WEAR TAKATSUKA
横浜市保土ヶ谷区西谷町762
TEL:045・371・2289