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![]() ![]() 冨田さんは、ずっと販売畑を歩いてきた。2005年にイオンリテールに入社、09年に当時のニューステップに出向後、グリーンボックスやフェミニンカフェの店長を歴任、兵庫県姫路地区のエリアマネージャーをつとめた。エリアマネージャーは全国で79人、その上の部長職は20人。昇進はかなりの狭き門だといえる。エリアマネージャー時代は優秀で、年間営業利益は常に10指の中に入っていた。そんなことも、起用の要因の一つかもしれない。 ![]() 「学生さんたちに楽しんでもらえたら。採用担当のチームは若く、学生さんたちと近い目線で考えています。チームで話し合って、その意見を採用しました」。 採用担当3人、教育担当9人、計12人が冨田さんのチームである。 「現場主義」を反映し、本部は全員売場経験者冨田さんの視線は、常に売場を向いている。「販売の現場にいたので、現場のために役に立つ情報を大切にしています。店長の意見を聞いて、不便なところを改善しようというのがスタンスです。当社は、まず現場ありき。現場をサポートするのが、バックオフィスの仕事です。当社の本部は、全員が売場経験者。現場の経験は、どの部署にとっても大切です」。 ![]() 現場を強化していくのが、自社資格「フィッティングアドバイザー」だ。年間120回も試験を行い、600人近くが取得する。社員、パートの区別なく、やる気があればだれでも受験でき、合格のためには店長や先輩もサポートを惜しまない。目的は、フィッティングができることと、好感度な接客を達成することだ。 その延長線上に、毎年行われるロールプレイング大会がある。今年1月に行われたこの大会は、冨田さんとチームのアイデアで昨年とは違った雰囲気のものとなった。参加者のモチベーションを上げてもらうために、これまでの受賞者のパネルを掲げ、懇親会では店舗からのメッセージや社長からのメッセージをVTRにまとめた。審査員は、従来は幹部クラスだけだったが、一般社員も入れて評価した。さらに、来年度入社予定の10人の内定者にも見学してもらった。競技も、あらかじめストーリーが決まっているわけではなく、その場で臨機応変に対応する、より実際の接客に近いものとした。そこには、参加者や応援団、見学者など全員の気持ちを高めていこうという、細やかな心遣いが見られた。 「今回、内定者の方々には社内の明るさを感じてもらえて、みな前向きにとらえてくださったようです。来年は一般の人や学生さんたちにも来ていただいてもいいと思っているんです。楽しんで参加する仕掛けをつくっていきたいです」。 「お客さま第一」の行動をとれるかどうかが教育のポイント![]() 「エリアマネージャーのころから、店長やパートさんたちの教育をしていました。私たちの仕事で、現場が生き生きと働くことにつながっていくことが、やりがいとなっています」。 ただし、課題はある。急速に店舗を増やしたために、年の若い店長が増えてしまい、その教育が急務となっている。人材開発部だけでは無理なので、エリアマネージャーや営業部隊と組んで実施していくつもりだ。 「ポイントは、お客さま第一の行動ができるかどうかです。いろいろな販促活動や作業も増えて接客に向き合える時間が減っています。でも、箱出しなどの作業が一番じゃない。あくまで接客なのです」。 ジーフットは、イオングループの「ダイバーシティ(多様な働き方)」のアワードで、大賞を得た。産休、育休のほか、テレワーク(在宅勤務)も始まり、女性の働きやすい環境が整いつつある。今まで、たくさんの女性スタッフを抱えながらも、その能力を生かし、幹部登用してこなかった他社にも、ジーフットは参考になろう。 (株)ジーフット 本社:東京都中央区新川1-23-5 新川イースト 年商:1039億円(2016年2月期) 従業員数:1420名 |
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