今月の記事・ピックアップ 2017・4
 HOME > フットウエアプレス >  事例特集 よく効く 販促、ファンづくり
企業が消費者を対象に実施している販促、イベントの具体例を取り上げる。集客を目的とした各種サービスの提供、店頭でのイベント開催のほか、ITを活用したコミュニケーションづくりやファンの囲い込み、エコロジーへの取り組みなど社会貢献を通して企業姿勢をアピール事例も見られる。


 1.はき良さ提供の顧客サービス 足型計測やインソール調整で快適フィッティング提供 

丸紅フットウェア

昨年「こども想いのくつえらび勉強会」を立ち上げ

 「こども想いのくつえらび勉強会」は、正しい靴選びを全国の両親に伝えていくプロジェクトで、同社の子供靴ブランド「イフミー」と、22万人の起業ママネットワークであるパワーウーマンとの共同プロジェクトで、昨年7月スタートした。

 靴選びマイスターから講習を受けたくつえらびアンバサダーによって開かれる。内容は正しい靴選び、靴のはき方、脱ぎ方、靴のお手入れ方法、足の計測など。最大規模は全国大都市で開かれるママフェスタ内での勉強会だ。SNSでの評判も上々で、かなりの拡散を見せている。同社は教材や材料を提供するなどのバックアップに徹している。

 2020年までの5年間でのべ4万人の参加を目指す。


ムーンスター

子供向けの足型計測機で計測

 昨年10周年を迎えた、フィッティングを重視した接客を行う子供靴専門店「ゲンキ・キッズ」。すでに全国では58店舗を数えるほどに成長した。同店では小さな子供が楽しみながら足の計測ができるよう、「フッ撮る」という足型計測機を導入している。

 1〜2歳にかけての子供の足は、年間1・5〜2cm程度も成長するため、こまめな計測は欠かせない。ムーンスター独自の研修制度も備えている。子供の足や靴の知識、足型計測方法を実習で学び、接客力の向上に努めている。

 「きつい」「ゆるい」が言えない子供の靴選びには、同機器は親御さんから好評だ。


銀座ヨシノヤ

次回購入に役立つ足型計測サービス  

 「銀座ヨシノヤ・メンバーズカード」に入会すると、足のサイズと足型が登録され、同時に購入商品の履歴が残り、次回のフィッティングに役立つ。同社での足型分類は 足長、足囲、足幅の3つを組み合わせた独自の 「足型タイプ別表示」。

 データは全国の直営店(現在75店舗)で共有で使える。「旅先で足が痛くなり、地方の百貨店で銀座ヨシノヤに飛び込んで靴を選んでもらった」という事例も度々ある。

 「足型計測」は要望があれば、随時行っているサービスだ。「銀座ヨシノヤ・フィッター制度」を設けており、専門的技能を持った販売員が接客することをモットーとしている。



シカゴ靴店(東京・台東区)

適正なフィッティング提供 

 浅草・新仲店にあるシカゴ靴店。品ぞろえはウォーキングシューズ主体で、リーガルコーポレーションの「デジフィットシステム」を入れている。測定板の上に乗ると足のどの位置に圧がかかっているか、ねじれがあるかどうかがわかり、同時に最も適したインソールのナンバーが表示される。店頭にあるウォーキングシューズの多くはインソールが外れるようになっていて、より足に合ったインソールを組み合わせればフィット感がぐっと増す。

 「足には、軽くて柔らかい靴がいいと思っている方が多いですが、しっかりと足をホールドするものがいのだとていねいにご説明しています」と、梶泰和社長。リピーターづくりの大切な方法となっている。





 シニア向けサービスで来店促進 拡大する市場を狙った新たな販促 

チヨダ

シニア限定の割引デー  

 チヨダは55歳の以上の人を対象にした割引サービス「ハッピー55(ゴーゴー)デー」を販促イベントにしている。同社では、シニアという言葉を使わず、「ハッピー55」とネーミングで呼ぶようにしている。

 「ハッピー55(ゴーゴー)デー」は男女別なく、毎月14日から17日に限定して、税抜き1000円以上の商品を購入した人を対象に、10%割引のサービスを行うもの。会計時に、年齢が55歳以上であることを確認できる物を提示すれば、その場でサービスが受けられる。

 現在、「ハッピー55」という用語を周知している段階だが、HPやLINEで知らせているほか、店頭駐車場にブルーの幟を掲げてアピールしている。


サワムラヤ靴店

靴の宅配サービス 

 牛久の街も次第に高齢化が進んできた。足が悪く来店できない、車の運転ができなくなったという高齢のお客のために、サワムラヤ靴店では靴の配送サービスを始めた。

 「黒色の軽い靴がほしい」「デイサービス用の靴がほしい」などの用途やイメージ、サイズを伝えると、店内の1000足以上の靴のなかから数足を選んで自宅に運び、フィッティングしてくれる。このほか、「もっとたくさん靴を見たい」というお客には、お店への送迎も行っている。

 まだ個人のお客からのオーダーは少ないが、施設からは、介護士が家族の許可を得てから「リハビリ用の靴がほしい」「前の靴が傷んだ」などのオーダーを入れてくるという。