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16年度靴輸入実績
(2016年4月〜17年3月の輸入通関統計から集計)
革靴は1次、2次とも、3年連続で前年を下回る

――非革スポーツ靴のみ大幅に輸入拡大

 ポイント
・1次革靴の足数は6年連続で前期割れに
・2次革靴の足数は3年連続で前期割れに
・TQ枠の消化率66%とさらに下げる
・非革スポーツに人気が集中する

 靴全般  6億3400万足

16年度の日本の靴輸入足数は6億3415万足、前期比97・3%と、前年を割っている。ここ数年続くスニーカーブームを受けて、非革スポーツの輸入増加はあったものの、それ以外の靴は横ばいかマイナスとなっている。16年度の輸入市場をリードした非革スニーカーだが、単価は安く、金額全体では14・7%減少という成績にとどまった。
品目別に伸び率を見ると、スポーツ靴がトップで、足数、金額とも大きな伸びを見せた。それも非革スニーカーのみで、革スポーツはマイナスとなっている。スニーカー人気もボリューム化していることがうかがえる。
ほかに、数量で前年を維持したのは非革サンダル。シーズン商品が弱くなっている中で、革以外の低価格サンダルは輸入が圧倒的で、前年実績を維持した。
これまで一貫して数量でトップのキャンバス靴は、数量、金額とも前年を割っており、全輸入足数の52%の構成比になった。数量、金額とも前年を割っており、キャンバスのカジュアルシューズは、カジュアルスニーカーに変わっているよう。
革靴に足数、金額とも前期に引き続いて前年を割っている。前年は金額のほうが下げ幅が小さかったが、当期は数量のほうが下げ幅は小さいという傾向を見せた。品目別に見ると、唯一前年を上回っているのが、2次関税の輸入のカジュアル靴(その他の靴)。また、革スリッパも足数で前年を上回っている。



 革靴  2300万足

1次、2次革靴に革スリッパを加えた革靴の輸入足数は2336万足、前期比89・6%。金額1046億円、同85・8%となり、足数、金額とも前期に引き続きマイナスとなった。下げ幅は前期よりも大きく、市場の低迷を表す数字となった。
上位10ヵ国の輸入国の順位を見ると、1位のカンボジアは不動。2位には前年4位のベトナムが入り、バングラデシュが下がっている。また、ミャンマーも順位を下げたおり、価格競争力の高いLDC(後発開発途上国)の商品も、市場低迷の影響を受けている。
革靴輸入の上位国のなかで、最も伸び率の大きかった国はインドで、2期連続で伸び率トップとなった。EPA(経済連携協定)発効国として、ようやく注目されでしている。
前期8位のラオス、9位のインドは、当期はそれぞれ7位、8位の入っており、スペインが7位から9位に下がっている。
上位10ヵ国中、EPA/FTA発効国は7ヵ国。この7ヵ国から輸入される革靴合計は、総革靴輸入の64%を占めており、その多くは2次関税での輸入である。この点も、TQ枠の消化率を下げる結果となっている。