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新業態ショップ ナージー 渋谷店(東京・渋谷区)

 「ナージー 渋谷店」は、NHK近くの東京・渋谷区神南にある路面店だ。オープンは2015年9月、運営しているのは「ロペ」「ロペピクニック」などの有名ブランドを持つファッション系企業、ジュンである。「女性に向けたアクティブライフスタイルの提案」をコンセプトに、女性なら誰しも興味のあるファッション、ビューティ、スポーツ、フードの4つのコンテンツを展開する。いわば、「美と健康」をテーマとするライフスタイルショップだ。
 最大の特色は、ナイキのスポーツシューズとスポーツウエアを軸にしていることで、これが約4割を占めている。
 得意なウエアでは、女性らしさやファッション性を取り入れたオリジナルアイテムを差し込み、幅広い顧客層を取り込んでいる。両サイドにリボンをつけたテーパードパンツや、ピンクやスモーキーグリーンのジャージーなど、ウォーキングやヨガなどのスポーツシーンでも、日常でも着られるもので、汎用性が高い。
 機能性素材を使った「アクティブパンツ」は好評で、4月28日から5月14日まで店頭でオーダー会を開いた。生地2通り×シルエット3パターン×10色で、60通りのセレクションができる。価格は既成と変わらない8900円(税抜)なので、「自分だけの一着」をつくるよい機会となった。
 「このパンツは、シワにならずストレッチも効いているので、旅行用としてもご好評いただいています。スニーカーもタウンで多くはかれるようになったのと同様に、スポーツウエアもさまざまなシーンで着られるようになっています。ナージーの最終目的は、スポーツをする女性を増やしていくこと。東京オリンピックに向けて、健康やスポーツへの意識が高まってきています。ほかのスポーツブランドとともに、その気分を盛り上げていきたいです」(渕脇裕子ショップマネージャー)

ビギナーに優しい接客を心掛ける

 シューズはすべてナイキウイメンズで、ランニング、トレーニング、タウンユースと3通りからセレクトできるようになっている。ナイキジャパンとともにラインアップの選定をしているのが売り。売れ筋はフライニットシリーズや、エアマックスなどで、ことに夏に向けて軽量で返りがよく、カラフルなフライニットシリーズは人気の的だ。顧客層は20〜40代と幅広いが、中心は20代後半から30代。
 このショップのよいところは、単に靴を購入するだけでなく、さまざまなアドバイスがもらえること。たとえば、ランニング系シューズは縦方向の動きに適していて、トレーニングシューズは360度の動きに対応していること、そのため、トレーニングシューズでランニングすると足をくじきやすい。初心者がフルマラソンを走るには、クッション性の高いソールが適していること、などなど。合わせて、必要なウエアもそろえられる。
 もちろん、スポーツ専門店やナイキの「ランニングステーション」などに行けば同様に専門的知識はえられるが、初心者にはやや敷居が高い。
 「専門のトレーナーさんから、『どのくらいのランニングキャリアがあるんですか』ときかれると恥ずかしいし、セルフ接客に近い量販店ではどれを選んだらいいのかわからない。ビギナーに寄り添った提案をして、正しい知識を広めることも、このショップの重要な役割だと思っています。ヨガやランニングに強いスタッフがいて、それぞれ適切なアドバイスをしています」。
 土地柄、外国人観光客の姿も多い。ナイキブランドは人気が高く、まとめ買いするアジア系外国人の姿も見られる。ピンクやレッドなど、明るめのカラーが好まれる。
 フードのラインでは低カロリーでおいしい「クレンズアイス」が人気だ。一個100キロカロリー未満というのが、女性にはうれしい。化粧品では基礎化粧品「スリー」と、自分でできるジェルネイルブランド「グランジェ」が入っている。

冬にはスポーツスタジオもオープン

 現在、渋谷店のほかに、ららぽーとエキスポシティ店(大阪)、タカシマヤ ゲートタワーモール店(名古屋)の計3店舗を展開している。
 「冬には、原宿に『ブティックフィットネス(特化型フィットネス施設)』をオープンさせる予定です。スタジオができることによって、店舗との親和性を高めていくことをねらっています。渋谷店でも、ストアイベントを行ってお客さまに向けてスポーツの場を提供していきます」。
 渋谷店のスポーツイベントはすでに今年2月からスタートしており、参加者も増えている。ナージー側では、「コミュニティをどんどんつくっていきたい」と、今後もイベントを強化していく計画だ。