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店舗紹介 スズラン百貨店高崎店・婦人靴売場(群馬・高崎市)

品ぞろえと接客術で差別化、売上げも堅調

 スズラン百貨店は、前橋を本拠にする百貨店で、創業65年となる老舗である。高崎店は緑あふれる高崎城址公園のそばに位置し、オープンから50数年を数える。
 高崎店の1階には、120坪という広い婦人靴売場がある。多くの百貨店がインショップ形式で数多くのテナントを抱えているのとは対照的に、自社編集の平場となっている。商品は大半が買い取りのうえ、売上げも堅調ということからも、地域の顧客たちから大きな支持を得ていることがわかる。

120坪の広さに充実した品ぞろえで集客

 群馬県は古くから「かかあ天下とからっ風」といわれるように、女性の強い地域であり、それは今も変わっていない。よく働くしっかり者の女性たちが、家庭のサイフをにぎっている。スズラン百貨店高崎店の顧客たちもそんな女性たちであり、40代から80代までと幅広い。求められるのは「足に優しくはきやすい」靴だ。
 品ぞろえは充実しており、ブランド数は100を越え、ヤングキャリア、パンプスを主体とするミセスシューズ、コンフォート系と大別されている。主力ブランドは、リーガル)、ランバン、マッキントッシュ、ツモリチサト、23区、アンタイトル、ストロベリーフィールドなどだが、人気トップはエスプリ(キャロンシューズ)だ。4Eと幅が広く、軽くてはきやすい。
スポーツ系ではニューバランス、ヨネックス、ミズノ、エレッセなどで、6月からパトリックを入れている。トレンドからエレガンス、コンフォート、スポーツまでそろわないものはなく、さらにイレギュラーサイズ(21・5cmと25〜26cmまで)も置く。「ここでしか買わない」というイレギュラーサイズの顧客も多い。
 今年2月から別棟にあったスポーツ系シューズが本館に移って、「ワンストップですべてのニーズに応えられる」ようになったため、いっそう充実したといえる。売れ筋はコンフォート系。売上げの3分の1がこちらというのには、車社会であるために、ヒールものがドライブの時につらいという理由もあるようだ。

ときにはっきりと、ときにじっくりと接客

 品ぞろえでの差別化とともに、ていねいな接客による顧客づくりにもはげむ。
 「接客時間は長めに取るようにしています。主婦の方が多く、込み合うのは午前中から午後3時くらいまで。夕方は近くの市役所にお勤めの方など、OLさんが多くなります」(婦人靴・服飾雑貨部 服飾課 婦人靴・バッグ係 ミセス婦人靴売場 関口恵理子リーダー)
 関口リーダーは、昨年「シューカウンセラー」の資格を取得した。靴のフィッティングのための資格で、足の状態を見て靴をお勧めする。「お客さまの足はこうだから、この靴がいいですよ」と理論的にお勧めできるようになったという。
 ファッションにこだわるのは、女性の常だ。あるとき、関口リーダーのもとに一人の女性がやってきた。「ちょっと当たる」「自分のファッションに合うのか」「合うと思うのはなぜなのか」と細かく質問を続け、試しばきをした靴は十数足。「お召しになっている服とこの靴は、このようにあいます」と具体的に説明したところ、次回の来店からは関口リーダーを指名してくるようになったという。
 ウォーキングシューズを長く販売してきた間正(ましょう)芳史主任の接客は、もっとストレートだ。ウォーキングシューズはタウンばきとは違い、足に合うことが最優先となる。そうでないと、10キロ、20キロと歩くことができないからだ。「スタイルを優先していると、足に合いませんよ」「合わない靴を選ぶと、ムダになってしまいますよ」とはっきり言う。合わない靴を買ってしまうと、次に続かないからだ。ていねいな説明も、はっきりと「合わない」事実を伝えるのも、すべては再来店につなげるためだ。

郊外店が強い立地にあって、県内トップクラスの売場に

 スズラン百貨店高崎店の婦人靴売場は、関東エリアでも上位にはいり、群馬県ではトップの売上げを誇る。少し離れたところに、イオンモールやチェーン店があるにもかかわらず、この状況は立派である。「ブランド力でお客さまをつかんでいきたいです。ある程度核ができているので、それにプラスアルファしていきたい」と間正主任は考えている。秋冬からは、スポーツブランドであるルコックスポルティフ、メイド・イン・ジャパンのスニーカーブランドでもあるスピングルニーマの導入も計画しており、品ぞろえの幅がさらに広がりそうだ。

スズラン百貨店 高崎店
高崎市宮元町13−1
TEL:027・326・1190