今月の記事・ピックアップ 2017・10
 HOME > フットウエアプレス >  イタリア通信 世界の靴生産・流通
イタリア通信 大谷聡美

(World Footwear Year Book 2017)

さらに伸びるアジア生産だが、中国のシェアは13年から下降

APICCAPS(アピカプス=ポルトガル皮革製品製造産業協会)が毎年発行している「World Footwear Year Book」の最新版である2017年版から、世界の靴生産・販売動向を見る。

 生産

中国のシェアは2ポイント落として63%に

 2010年から4年間で15%の伸びを示したが、14年以降、世界の靴生産量はほぼ変わっておらず、16年は230億足であった。 
 大陸別のシェアは、アジアが86・7%と大半を占め、最も生産量の多い中国が57%と、前年より2ポイント減少しており、62・9%を占めていたピーク時の2013年から、年々下降している。
 世界の靴生産量上位10ヵ国はデータを取り始めた2010年から変わらず、アジア以外でブラジル、メキシコが入り、11位はイタリアで、0・8%のシェアを占めている。


 消費

第三世界の靴消費も増え出す

 靴の消費では、アジアが半数以上の54%を占めており、最も大きいマーケットの中国が38億足で18・3%のシェア、次いでインド、インドネシア、日本と続いている。
 上位10ヵ国にランクインされている北アメリカ、ヨーロッパの国々も、靴マーケットにおいて重要国であり、南米、アフリカもシェアが7~8%と今後、発展する市場として注目される。


 輸出

130億足で、中国のシェアは67%

輸出に関しては、アジアが前年より2ポイント増加し、85・8%のシェアを占める一方で、ヨーロッパが3ポイント減少し、10・5%のシェアとなっている。
最もシェアが高い国は93億足輸出の中国で、シェアは67・3%、香港は昨年の5位から10位にシェアを落とす一方で、インドネシアが9位から3位に上昇している。
2016年の全体輸出量は130億9000万足、輸出額は1220億ドルで、2年前よりそれぞれ6ポイント、8ポイント減少している。



 輸入

アメリカが2割を占め、香港が減らす

 輸入に関しては、ヨーロッパ39%、アジアが前年に比べ5ポイント減少の20%のシェア。国別に見るとアメリカが23億足輸入と最も多く、全体のシェアは19・6%を占めている。
 10位のロシアは、2年ぶりに上位10ヵ国にランクインする一方で、香港がはずれた。イギリス、ドイツ、日本、フランスが輸入主要国となっている。10位までにはランクインされていないが、アラブ首長国連邦が有力な輸入国となっている。