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特集 これでロングセラー
アサヒシューズ 「快歩主義  L011」

シニアに優しい機能シューズ
ブランドの累計販売足数は850万足


はく人の症状に合わせた介護靴は以前からあった。しかし、リハビリなどの靴をみても、その外観は靴には見えないような、特殊なものが多かった。そんな市場の中で、2001年8月に発売された「快歩主義」は、介護される人、介護する人、さらにシニアに向け、一般的なデザインで機能的な靴として開発され、人気商品となっている。品番「L011」は、今も売れているロングセラー商品で、なかでも02年1月に色追加したオークストレッチ≠ェ代表色となっている。
人気のポイントは、体重移動をコントロールし、歩行をサポートする特許構造の機能性や軽量なゴム底、つまずきにくいソール設計などシニアに優しい靴であること。さらに柔らかいアッパー素材を使い、甲部が大きく開く構造は、リハビリや車椅子利用の人に配慮した履かせやすい靴となっている。また、自分で履く際も、履きやすい靴として好評である。

累計850万足の販売実績

「快歩主義」の商品戦略として毎シーズン、旬の色、素材を提案し、リピーターでも飽きずに購入できる打ち出しをしている。「L011」ではこれまでに、約50色以上展開している。
そんな中、「快歩主義」の顔となっているオークストレッチ≠ヘ定番色となっており、同ブランドを展開する売場のほぼ全店が扱っている。また、アサヒシューズが実施する広告や店頭装飾物などでも、必ずこのオークストレッチ≠使い、訴求している。
16年を経過した「快歩主義」全体の累計販売足数は、850万足となっている。このうち、「L011」がおよそ50%を占めており、圧倒的な売れ筋となっている。
これまで販売窓口が限られていた靴だが、「快歩主義」の登場で、シニア向けの機能商品として、靴専門店で広く扱うようになった。いわばパイオニア的なブランドで、サンダルやスリッポンなど、アイテムを拡大している。

▽アサヒシューズ
TEL:0942・37・1033



パンジー 「パンジー・ルームシューズ9505」

木型を使ってつくる、疲れにくいスリッパ 

パンジーの柱の一つがルームシューズだ。「9505」番は1993年に発売されたが、以後足かけ25年間にわたって根強い人気を誇る。累計販売数は、2017年までで121万足を突破した。形はシンプルなワンベルトで前あき、現在のカラーは、ローズ、ブラック、ブラウン、グリーン、パープルイエローで、カラーのラインアップは時々に変化してきた。表面はフッ素加工されていて汚れが付きにくく、薄めた中性洗剤でふくと汚れが落ちる。
「ここまで歓迎されてきたのは、はきやすさがあったからです。アッパーと中敷きを手で編んで一体化していて、屈曲性がよくパタパタと音がしない。86年ごろからマンションでもフローリング床が普及してきて、音を気にする方が増えてきたのが、ファンを獲得してきた理由ではないでしょうか」(営業部第二事業部・清川晃俊マネージャー)。
スリッパでは疲れやすいといわれているが、9505は靴の木型を使っているため、歩く機能をしっかり持っている。また、S、M、L、LLという4サイズで展開しているのも魅力のひとつ。ことにSサイズはなかなか市場にないため、重宝されている。

ヒール付きや今治タオル採用と広げる   

 リピーターのほとんどが40〜60代の主婦。主要な販売チャネルが百貨店のリビングコーナーであるため、ここに来店できるだけの経済力を持った年代ということだ。価格は3300円とやや高め。しかし、ふつうのスリッパが半年くらいしか持たないのに対して、だいたい1〜2年ははけるというからむしろお得かもしれない。人気は根強く、売場からは「商品がないと、お客さまからお叱りを受ける」そうで、商品の補充には気を使う。
 ルームシューズは「もう少しヒールがあったほうがいい」というニーズに合わせて、ヒールのあるものを、「湯上りにはけるものを」という声に応えて今治タオルを採用したものをと、次々に範囲を広げてきた。9505と同時期に発売され、やはりロングラン商品となったメンズのルームシューズは、モデルハウスやモデルルームではかれ、成約すると購入者にプレゼントされる、という使い方もされている。
 9505は百貨店を中心に、靴専門店やインテリアショップにも置かれているが、今後は靴専門店にも積極的に販路を拡大していく計画だ。

▽パンジー
TEL:06・6631・0351