90坪の売場にリニューアル、売上げは倍増で推移
レディスはオリジナルを主力に差別化
 静岡・天竜市で１９０７年（明治20年）の創業以来、１３０年の歴史を持つバッグのセレクト型専門店「バッグショップわたや」。４代目である鈴木雅也さんの代になってから、浜松市内のＳＣへの出店を積極的に行ってきた。現在は「イオンモール浜松志都呂店」と「イオンモール浜松市野店」、そして本店の3店舗だ。
「すげ蔵イオンモール浜松市野店」は、昨年７月にリニューアルオープンし、90坪の大型店へと生まれ変わった。それまで２階フロアにあったメンズの売場を１階に下ろし、レディス売場に隣接させている。向かって右側がレディス売場、左側がメンズ売場となった。
「お客さまの中には、１階と２階を行き来する方もいましたが、いまは売場内を回遊することで、買い物が容易にできるようになったと思います。カップルで来店し、メンズ売場のギフト用アイテムを選んでいる姿も見られます」（鈴木雅也専務）。
オープン後の状況は、スケールメリットもあってか、売上げは１００％から１１０％くらい伸びている。また、スタッフの人的効率も上がっているという。
同店の品ぞろえは、レディスは基本的に、メイド・イン・ジャパンのプライベートブランドをメインに扱っている。クリエイターが作る個性的なデザインのものなど、他にはないアイテムも意識的にセレクトしている。他には「ＴＡデザイン」「イコット」「アレックス」「リリー」「ドアン」「レガロ」「モキップ」「KAWAKAWA」などを扱う。
メンズは「ポーター」「マスターピース」「スロウ」などの人気ブランドをそろえている。他に「ネルド」「ディケイド」「ユニゾンデプト」などで、ブランドを絞り込んではいるが、アイテムに幅があり、ブランドの世界観がしっかりと伝わってくる品ぞろえだ。
タンスやソファを使ったディスプレイ
店頭ディスプレイが特徴的で、「すげ蔵」スタイルともいえるような、他にはない面白さがある。定形的な売場什器は使わず、インテリア用のソファや革のベッド、骨董的なタンス、昔の脚立などを什器に使っている。レジの後ろには蓄音機まであり、雰囲気のあるアンティークな素材感と、レザーバッグとがお互いを引き立て合っている。
また、あえて壁面や中置き棚などを少なくして、天井からバッグを吊り下げるディスプレイもユニーク。遠くからでも商品が目立ち、棚置きよりもリズム感を演出できるのも魅力だ。
店内の商品レイアウトも、ブランドで区切るところと、テイストミックスするところでメリハリをつけ、顧客が〝自分の好きなコーナーはここ〟と見つけやすいようにしている。
陰影をつけたライティングで見せる
ライティングもこだわることのひとつ。明るすぎる照明で商品が薄っぺらな雰囲気にならないよう、ライティングの明暗で微妙な陰影をつけ、バッグそのものの存在感を際立たせている。また、入り口部分には太い古材の梁を配置して、白の壁面とのコントラストを印象づけてみせている。
「奥にも何かあるのではないか、という〝ドラマ性〟を演出できるように意識してディスプレイしています。普通だけど普通じゃない、ありそうだけどどこにもない…。ブランドではなく〝自分らしさを表現するツールとしてのバッグ〟を探す方に、喜んでいただければ嬉しい」と鈴木専務は話す。
◆すげ蔵イオンモール浜松市野店
浜松市東区天王町字諏訪1981-3イオンモール浜松市野1F
TEL： 053-467-2121 |
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