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個性派専門店 「にほんのくつ」 神戸元町商店街


日本ブランドのセレクトショップを、地元商店街の中で展開


日本人の足型に合った、スニーカーと普段履きを並べる

神戸には靴専門店やスニーカーショップが数多くあるが、元町商店街に店を構える「にほんのくつ」は、ストレートで個性的な店名が目を惹く。
阪神電鉄「西元町」の駅からほど近く、昔ながらの商店が並ぶ商店街の中にある。国産スニーカーを主力に、国産ブランドをセレクトしたショップは、2015年10月にオープンし、今年4年目になる。20坪ほどの店内は、手作り感覚のナチュラルな木棚で構成される。
代表の平柳与(ひらやなぎ あとう)さんは、まだ20代の若手経営者。柔軟な発想で、「日本関連のブランドで固めたショップを構想していた」という。さまざまな物件を見て回る中で、神戸のこの商店街が気に入り、ショップのオープンを決めたという。
平柳さんは群馬県出身で、高校卒業後、父親が経営する靴チェーンのウィングに、店舗スタッフとして入社した。2014年には、父親から大阪のファッションビル内にあった店舗を譲り受け、独立している。傘下の店舗でも、資本関係もなく、いちから自身で運営することになった。
「これからはどんな店舗のあり方がいいのかを、独立の時から常に考えていました。“靴の街”として有名な神戸の街に、いつか出店したいと考えていました。靴はデザインも大事ですが、お客さまなどに伺うと“靴は歩きやすくて疲れにくいこと”を挙げたため、その点を重視してセレクトする店にしました。国産靴であれば、日本人の足型に合うのも魅力です」と話す平柳さん。



近隣ミセスが気軽に立ち寄れる店づくり

品ぞろえでは、足入れが良く、コンフォート性が高いくつを主力に構成した。併せて、シンプルで機能的なデザインなどを考慮した。主軸のブランドとしては「パトリック」「スピングルムーブ」「RFW」「トップドライ」などを取りそろえた。
目を引くのは、アサヒシューズの「トップドライ」をチョイスしたこと。大人のスニーカーを切り口としたセレクトショップではあまり登場しないブランドだが、平柳さんには思い入れが強いという。
「一見地味目なブランドですが、トップドライの履き心地と機能性はとても高い。また、国産ブランドは、アジア生産のものと比べると価格が少し高めのものが多いため、『トップドライ』では、値ごろ感のあるブランドも意識しました。近隣のミセスの方々などが買い物ついでに足入れして、軽さと履き良さでびっくりして買っていただくことも多いですね」。
また、ふらっと気軽に入ってもらえるように、暖かみのある木のファサードや、写真パネルなどを外に掲げている。また、ゆっくり見てもらえるように、靴だけでなくソックスも充実させている。
ここで扱っているのは、奈良県で作られている靴下ブランド『ラソックス』。足首の角度に合わせたL字型が特徴で、人体工学に基づき、特許を取得しているとのこと。スニーカーと合わせたコーディネイト提案も欠かさない。
「ファッションビルでの経験も貴重でしたが、ここの商店街でお客さま一人ひとりとじっくり向き合って接客するスタイルがとても気に入っています。日本の靴ブランドは他にもたくさんあるので、少しずつ開拓してオリジナリティを出していきたいと考えています」(平柳さん)。 


神戸市中央区元町通6-6-2 
TEL 078-351-1012