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ピッティ・イマージネ・ウオモ

メンズもカジュアル化とサスティナビリティがトレンド

1200ブランドが出展、来場者数3万6000人

2019年秋冬メンズ・コレクション「第95回ピッティ・イマージネ・ウオモ」が、1月8日から4日間の日程で、伊・フィレンツェのバッソ要塞で開催された。
工事が進められていた路面電車が全面開通し、会場前の駅から郊外へアクセスが出来るようになり、交通渋滞の解消にもなった。今後、空港線も開通し、次回はさらに便利になる。
今回の出展ブランド数は、イタリア国外568ブランドを含む1230ブランドが出展、日本からは、東京ファッションアワードのファイナリスト6ブランド、ホワイトレザープロジェクト4ブランドが初出展した。
来場者総数は3万6000人で、バイヤーに関しては2万3800人となった。イタリアのバイヤーは前年同開催比8%減だが、国外バイヤーは9100人増加した。再びトップとなったドイツは前年同期より減少、スイス(+9%)、ベルギー(+6%)、カナダ(+11%)、香港(+5%)、インド(+19%)、スカンジナビア、台湾などが増加している。
「世界のトップバイヤーから、国際市場やオンライン小売業界に存在する新規ブランドが参入、最も重要なトッププレーヤーの出展を確認出来た、という声を耳にした。全世界の取引数値の最終データを熟知している我々が、最高の行動を起こすことがピッティの姿勢だ」と同展ラファエロ・ナポレオーネCEOは語っている。
 

 注目ブランド

伝統的な日本のホワイトレザーが初出展

姫路のタンナーが作るホワイトレザーとデザイナーがコラボレーションした作品が、“ホワイトレザープロジェクト”と題して、ピッティに初出展した。
ホワイトレザーは、塩と水、菜種油のみでなめされた革で、1000年以上の歴史があるが、現在は姫路のタンナー1社だけが作っている。
この日本の伝統的な革を世界に知ってもらおうと、ジャケット、靴、バッグ、小物の4ブランドのデザイナーの協力を得て、今回の展示に至った。
ホワイトレザーは色合いと質感、そしてサスティナビリティとしても話題性があり、多くの来場者を集め、高評価を得ていた。
今後は生産の問題含め、世界へどう広げていくかを課題として検討する。


ローデンコートのバッグが登場

 ミラノでローデンコートを展開している「ローデンタル」が、コートと同じ素材を使用したバッグを発表した。
 ローデンコートは、ローデンクロスと呼ばれる軽くて暖かいウール素材を使用されたもので、通常はメンズコートとして知られているが、同ブランドではレディスも展開している。
 以前からバッグも作りたいと考えており、今回、ローマのコンセプトショップとのコラボレーションで実現した。
 ローデンクロスにヌメ革で縁取られたトート型バッグは大小の2型、表をモスグリーン、ネイビーなど4カラーで、FOB価格は240~270ユーロとなっている。


伝統&革新の「コールハーン」が初出展

 アッパーはビジネスの顔ながら、スニーカー感覚で履ける「コールハーン」。日本では人気ブランドだが、意外にもヨーロッパでは知名度が低い。そんなヨーロッパ市場での販売に力をいれるべく、今回、ピッティに初出展した。
 従来のオックスフォードシリーズに加えて、ウォータープルーフのチェルシーブーツやトレッキングブーツとアイテムの幅を広げ、若い世代へ向けたコレクションを新たに発表した。
 新世代向けの「ジェネレーショングラウンドゼロ」では、ソフトスエードやニットをアッパーに採用、ミニマル&モダンなカジュアルは、ビジカジとしても活躍しそうだ。
 コレクションのすべてに、クッション性のあるミッドソールとイノベーションソールが採用され、快適な履き心地に仕上げている。