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特集 コラボでWin‐Win

アルカヤ靴店×スピングルムーヴ

ブランドを絞り込み、フルラインアップで展開



“観光地立地”に路面店で出店する

 函館、軽井沢、熱海、鎌倉、湯布院…。これらは国内外の人々に人気の観光地だが、群馬・高崎市のウイングが運営する「アルカヤ靴店」が出店している場所は、こういった観光地の路面店が多いのが特徴である。
地元の商店街に溶け込むそれぞれの店は、木調のファサードや、暖かい雰囲気ののれんなど、どこか日本的で懐かしいムードを表現しており、インバウンド客が多いのもうなずける。また安易な安売りもしないため、今まで購入した顧客も安心できるのも大きい。
「屋号を『アルカヤ』にしたのはつい5、6年前です。これは『歩く』をもじってつけられました。現在では靴が全体の9割を占めています。『アルカヤ靴店』での業態が30店舗、その他の業態が10店舗ほどあります」(平蜊P夫社長)。
 誰もが知る著名なナショナルブランドから、現在のように「スピングルムーヴ」「パトリック」「フラワーマウンテン」など、取り扱いブランドを大幅に絞り込んだマーチャンダイジングを行っている。特に「スピングルムーヴ」は、アルカヤ靴店のどの売場でも点数が多く、大人の顧客層をつかんでいる。

ストーリー性のあるブランドで接客販売現在アルカヤ靴店の顔である「スピングルムーヴ」との取り組みは、5、6年前に始まった。主に代理店を挟んだオンリーショップの形態を取っている。5?20坪程度の売場なため、一つの店にはあまり多くのブランドを置かないようにしている。
「ブランドは絞り込むことで、その商品がより生きると考えています。特に『スピングルムーヴ』や『パトリック』は、日本製の良さ、ものづくりの背景など語れるファクターも多いため、お客さま一人ひとりとじっくり向き合い、きちんと接客すれば理解していただける。各店の店長の裁量に任せ、その土地に合った品ぞろえを意識しています。もちん今後は、路面店だけでなくSC内への出店も考えています」とのこと。
シューズだけでなく、バッグでは「パーリィー」、バッグ産地豊岡の「エンドー鞄」なども扱っている。商品に惚れ込んだら、フルラインアップで世界観を見せていく、というのがアルカヤ靴店の姿勢でもある。

◆「アルカヤ靴店」群馬県高崎市上大類町907-5 TEL:027-386-3120



テクストトレーディングカンパニー

ファッションとしてのスニーカーをコラボ企画で提案

グローバルスニーカーと限定商品をコラボレート

 「アトモス」を中心に、全国約30店舗を展開しているテクストトレーディングカンパニーでは、世界的なスニーカーブランドとのコラボレート企画に力を入れている。同社の設立は2000年だが、翌年にはナイキとのコラボレート企画がスタートした。その後各ブランドとの取り組みが広がり、現在ではシューズ、アパレル、おもちゃなどを含め年間40〜50ものコラボレート企画が生まれている。
一口にコラボレート企画といっても、アトモスのショップでしか販売されていない「アトモス限定商品」と、日本国内ではアトモスでしか販売されていない「エクスクルーシブ商品」とがある。
 「アトモスは、ファッションとしてのスニーカーを提案したパイオニアです。20年前、スニーカーはランニングやテニスなどスポーツのためのものでしたが、素材やカラーを変えることによって、ファッショナブルなタウンシューズにしていったのです。機能性はそのままなので、街ではいても楽で疲れない。ここから、現在のスニーカーブームが始まりました」(アトモスディレクター・小島奉文さん)。


SNSで限定品を告知一日で数千足を販売

 アトモスの顧客には、コアなスニーカーファンが多い。中心は高校生から30代の男女で、限定商品販売の告知はブログなどのSNSやスマホのアプリを使う。店舗とオンラインストアで同時発売され、一日で数千足が売れることもある。限定品販売日には店頭に列ができ、開店と同時に売り切れる光景も見られる。
 アトモスの限定品はデザインやカラーが特徴的で、ファンには「アトモス」であるとすぐわかる。アッパーの一部に蛇革を使う、暗闇で光を放つ蓄光素材を採用するなど、遊び心満載だ。それがファンの心をくすぐる。
 「アトモスは若い顧客をたくさん持っているのが強み。これを生かして異業種との取り組みも考えています」と、小島さんはいう。メルセデス・ベンツのアパレルを製作したこともあり、アトモスでラッピングした車も登場した。これからもスニーカーで、また異業種間で、さまざまなコラボレートが生まれそうだ。