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ザ・異色店 靴工房106 (埼玉・川口市)

顧客の思いに寄り添い、簡単リペアからカスタマイズ修理まで

接客に時間をかけ、リスクも含めて説明する

  「他店で断られた修理もご相談下さい」。こんなキャッチフレーズで?気さくに靴修理やリペアの相談ができる店≠フイメージを打ち出しているのが「靴工房106(106 SHOE WORKS)」だ。代表の小柳利明さんは、靴づくりや修理の職人としてキャリアを積んだのちに独立。オーナーとして店を切り盛りして10年になる。
 靴修理の奥は深い。素材が多彩になっており、履く人が靴に求める価値観も多様化している。ソールのメーカー名や品番をあげながら相談をしてくる人もいる。また、加水分解でボロボロのものや、インジェクションソールなど直すには手間がかかるものもある。

一律の料金提示だけでは対応できないところがある。そのため接客時には時間をかけて説明する。「できれば直してでも履き続けたい」という、顧客の靴に対する思いを理解する必要もある。直した結果のリスクも交えて伝える。歩いた感じが変わるだけでなく、パンプスなどモノによっては脱げやすくなることもある。そのうえでお客が納得すれば受けるようにしている。
1万5000円ほどのブーツを、3万円以上かけて直したこともある。「『亡くなった父にもらった』という思い入れのある靴でした。価値や金額とは別のところでお客さんの要望に応えるところも修理の醍醐味かと思っています」。




靴にこだわる層にはカスタマイズ対応も

 「106 SHOE WORKS」の顧客の年齢は幅広いが、年齢が上の人や靴好きからは、いろいろな直しの要望が来るという。
「こだわった靴を持ってくる方が多いですよね。ワークブーツなどは大事に履き込まれたモノのほうが、新品よりも味わいがある。足にも馴染んでいますしね。修理して履く方は多い」。
 この場合は単価が高くなる。ソールの貼り替えでも1万円くらい、ダブルソールなど手の込んだ要望ともなるとその倍近い金額になる。この点はビジネス街にある修理店と異なるところ。履く人の趣味趣向に応じた、カスタマイズ寄りの修理が重視されるからだ。
 独立して、自身の工房も構えて商売することのメリットは「自分で納得いくところまでできるということ」と話す小柳さん。「お客さまにメリットがない仕事は基本的には受けない」という考えをポリシーとしている。




埼玉県川口市栄町3−11−8
TEL: 048−256−3050