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 そごう横浜店

さらに品ぞろえが増えるパンプスの兼用シューズ

 そごう横浜店地下1階の婦人靴売場には、1万足以上の靴が販売されており、そのなかで晴雨&オン・オフ兼用シューズも少なくない。販売部 営業1部婦人雑貨担当 婦人靴係婦人靴売場 河野賢(こうの・さとし)さんは、晴雨兼用シューズの傾向をこう分析している。
 「皮革にはっ水加工を施して、ナチュラルな革素材を生かしたモノづくりをしているブランドと、昔からある合皮を使った防水シューズとの2通りに分かれ、前者はインショップのブランドが、後者は平場展開のブランドが多いようです」。


はっ水加工は標準装備

 横浜・元町に本店を持つ「MIHAMA」は、「皮革+はっ水加工」が標準装備。そのためかとくにレインコーナーを設けることをしておらず、タグに「WATER REELLENT(はっ水加工)」と表示しているのみ。靴全体の7割がこのタイプで、ミハマは「防水スプレーをかけた革靴と見ていただければ。秋冬に向けてブーツも登場していますが、ファスナー部分にも止水テープが施されています」としている。
 親会社がダブルエーに変わった「HIMIKO」では、晴雨兼用シューズの割合が約5割と上がっている。基準は@はっ水(はっ水加工レザーを使用・大雨だとしみる) A生活防水(200時間の漏水テストに合格。防水テープも巻いてあるので、かなりの雨でも耐えられる) B完全防水(ゴムを使用。大雨でも対応可)の3ポイント。
売場でははっ水シューズには「防水タイプ」とタグを付け、AとBのシューズは「晴雨兼用コーナー」でまとめている。この表示は「わかりやすい」と好評で、接客時にも積極的にアピールしている。
 一般的に、レイン対応コーナーで購入しても、大雨のときに履けば雨がしみてしまう靴がほとんどだが、購入する側はわかっていない。接客時に表示を見せて「こちらなら本格的な雨でもしみることはありません」と説明するので、クレームが急激に減ったという。また「白は汚れるから」と敬遠されがちだったのが、「はっ水素材を使っているなら」と売れるようになったのも、一つの変化といえる。



テレワークに向けた「オフィスカジュアル」

 「はきやすいビジネスパンプス」として人気のワコールの「サクセスウォーク」では、この春夏シーズンから「オフィスカジュアル」ラインを打ち出した。テレワークが増えるなか、生活様式が変化し、オン・オフどちらにも対応できる靴が必要とされていると考えたからである。ホワイトソールのローファーやビットローファーなど9型で、スーツにもカジュアルウエアにも合うデザイン。細めの木型を使い、3Dアーチパッド「るパッド」が装備されているのは、ビジネスパンプスと同様だ。
 バチェラーオブシューフィッティング、幼児子供・シニアシューフィッターとマルチな資格を持って活躍する河野さんは、「兼用シューズは、将来的にもっと増えていく。HIMIKOさんのように、時代のニーズに合わせて変化していくブランドも出てくるのでは」と市場を分析している。

そごう横浜店
神奈川県横浜市西区高島2ー18ー1
レッグ&シューズステーション
TEL:045−465−5142 (直通)



 西武池袋本店

紳士靴

スポ―ティーなデザインをビジネスにも履かれる

 メンズシューズでは、シンプルで汎用性の高いデザインが注目されている。スペインブランドの「バーウィック」は、本格的なつくりの革靴ながら、リーズナブルな価格で幅広い世代に人気が高い。このタッセルローファーは、トレンド性もあってオンでもオフでも履けることからよく動いているアイテム。また、ソールは滑りにくく摩耗しにくいダイナイトソールが使われているのもポイント。
 グッドイヤーウェルテッド製法の「ジャラン・スリウァヤ」は、ビジネスシューズとしても人気であったが、オン・オフ兼用ニーズとしても支持されている。特に起毛素材のタイプは、秋になってから動き始めた。ジーンズにジャケパン・スタイルといった、カジュアルなスタイリングにもフィットするため、幅広いコーディネイトに合わせやすい。


オン・オフ感覚の靴を含めビジネス重要が戻ってきた

 「クラークス」のデザートブーツは、最近になって若い世代に支持されている。トレンドに左右されないロングセラー商品でもある。新作の「デザートロック」は、クレープソールに代わってラバーソールを使用し、グリップ力を向上させている。黒であれば、ビジネスシーンでも合わせやすい点が支持されている。
「コールハーン」は、圧倒的な軽さでファンが多い。スポーティーな底周りと、アッパーのメダリオンとのバランスが遊び心があり、カジュアルシーンを重視するビジネスマンに支持されている。
「コロナ下でビジネスアイテムは苦戦してきましたが、冠婚葬祭などが戻ってきたこともあり、新たに靴を求める方も増えてきました。SNSで紹介されているものを実際に見に来られるなど、マーケットが少しずつ動き出していると感じますね」(紳士靴売場販売リーダー・増田智子さん)。

婦人靴

シンプルなデザインの兼用ブーツが支持される

レディス売場では、ブーツ系の動きが早く、シンプルなデザインが先行して動いている。オン・オフ兼用できるタイプで、秋冬であるものの、オフホワイトやベージュ系などの淡いカラーが先行して好評だ。
「かねまつ」では、雨対応のレザーを使用した「アクアベル」シリーズが好調。オン・オフ兼用だけでなく、急な豪雨などにも対応できるアイテムとして支持され、いかにも“レインシューズ”というデザインでない点もポイントだ。合わせやすいシンプルなローヒールなど、カラーバリエーションもそろっている。

スポーティーな厚底も通勤履きに

モードデザインが得意な「スタッカート」では、ニットアッパーにストーンを散りばめた、スニーカーライクでカジュアルなデザインが人気。また二層構造になった、ボリューム感のある厚底デザインも動きが良い。他のブランドでも、厚底系は人気のあるディテール。
「今シーズン、デザイン的には薄いトーンが動き始めています。また、スクエアトウの人気が高いです。歩きやすい、太めなチャンキーヒールやローヒールタイプも出ています」(婦人靴係販売リーダー・池崎仁美さん)。



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