今月の記事・ピックアップ 2023・7
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特集 サステナブル素材がいっぱい 〜第105回TLFレポート



 丸喜

 2次、3次の箔加工で新たな価値を創造
色彩、デザインともにバリエーションに富んだものとなっている。蛇柄のゴートにグレンチェックの箔の型押しを施した「ルーカ―」は、在庫商品を生まれ変わらせたアップサイクルの商品で、きらめきが加わり、目新しさも増している。蛇柄のゴートに、職人が箔を一枚ずつ糊付けした「ペリッシモ」も発表している。
SDGSの沿った革開発では、害獣のイノシシの皮をなめした「チバレザー」に続き、石灰岩から作られたゼオライト鉱石でなめした「リトールノ」を発表した。同革は地中に埋めれば27日間で47%以上が分解され、2〜3カ月で完全に土に還る。質感は一般のスムースレザーと同一で、デシあたり69円と手ごろ。
TEL:03-3875-4615






 ミツワ産業

白ベースの偏光パール加工がトレンド

カーフベースの表面加工のものを多種類発表した。箔加工、型押し、エナメル、プリントなど。エナメル加工ではきれいなラインが出やすい加工がされている。パール加工も注目される。白ベースの中に見る角度によって色が変わる偏光パールがトレンドとなっている。ほかには24色構成の素材も打ち出している。
TEL:03-3874-4176




 新喜皮革

魚の皮のなめし加工で価値アップの魚革

コードバンやホースハイドといった馬革を得意とするが、展示会ブースには魚革も展示した。今回提案された魚の皮は鯉とアトランティックサーモンの二種。いずれもこれまで、そのほとんどは廃棄されていたもので、これを革にして活用している。展示サンプルでは商品の一部に色違いで使っており、鱗(ルビ:うろこ)の立体感が際立っている。
TEL:079-224-8136









 東京製革業産地振興協議会

多彩な色彩と立体的な加工で魅せるピックスキン

環境に配慮したタンニン鞣しの、革らしい革を提示すると同時に、多彩な色彩やキラキラ感、アートのような立体的な表面加工を見せる革を、ピッグスキンや東京のステアハイドで表現した。この中には植物由来の鞣しや染色の「レッザボタニカ」とのコラボレーションの革もある。
TEL:03-3611-0205









 相川商事

但馬牛の皮を使ったサステナブルな革を紹介

環境配慮型のクロムフリーレザー「TORNAT(トルナット)」を展開する。各社の製品を一堂に集めて展示する「極めのいち素材」会場には、ナチュラルシュリンクで表現された、軽量でウエット感のある革を展示した。展示会のブース前面では、神戸牛(但馬牛)の皮を使ったサステナブルな革を紹介した。
TEL:03-3844-8000



 富田興業

オリーブの副産物で鞣された革「オリーブリーダー」

各種植物由来の副産物で鞣しや染色された「レッザボタニカ」を扱うが、新たにオリーブの葉から抽出された液で鞣された革「オリーブリーダー」を発表した。これまでオリーブの葉は、実を収穫後は焼却廃棄されていた。この副産物による鞣し材から作られた革は環境に優しく、人へのリスクもなく、生分解性がある。
TEL:03-3876-2771


 ミドリオートレザー

植物の肥料に還る革「サーキュレザー」発表

ブースでは2つのサステナブルな取り組みを発表していた。「CircuLeather(サーキュレザー)」は、植物育成を促す肥料として利用できる成分を基にして作られており、革製品として使用を終えた後は肥料化して活用するもの。「Coir-Le(コイアーレ)」は、捨てられるココナッツの殻を素材の一部に使用し、自動車シートや内装材に使える、環境に優しい表材だ。
TEL:03-3442-2349






 久保柳商店

天然染色の染料でエコな革の価値を高める

革の見本と一緒に、藍、桜、屋久杉、茜、槐(えんじゅ)といった、天然染色の染料となる原料を瓶に入れて展示した。天然皮革の染料を天然の素材を使って染めることで、太古からのエコロジー素材である革の価値をさらに追及している。
TEL:03-3874-9161




 山陽

日本で2社目のLWG環境認証を取得

今年5月、環境への配慮や製造工程の安全性、原料から最終工程までのトレーサビリティ実施などが評価され、環境問題などの啓もう活動などを行っている国際団体の、LWG(レザー・ワーキング・グループ)環境認証を取得した。世界ではおよそ1100社のタンナーが認証取得しており、日本では2社目となる。
TEL:079-281-2141


 フットテクノ

今秋、再生ナイロン使用の新素材「リサイクルキャンブレル」発売

全米足病医学協会(A.M.P.A)より正式に承認されているキャンブレルは、ナイロン100%で構成されており、全世界でシューズ用裏地、中敷材として多く採用されている。
耐摩耗性に優れ、汗を素早く吸収・拡散することで、ミリタリー、アウトドア、スポーツ全般など全方位のハイテク素材だ。新たに再生ナイロン原料を使用した「リサイクルキャンブレル」の販売を9月より開始する。物性では従来のレギュラーナイロンタイプに比べ、わずかに摩耗強度は劣るがシューズへの使用には全く問題ない。
TEL:078-747-0019






 ニシムラ

革の端材使いのリサイクルレザー発表

リサイクルレザーを使った製品サンプルを展示した。製造工程で出た革の端材50%のほか、リサイクルPE(ポリエチレン)20%、レギュラーPE15%、PU(ポリウレタン)15%から作られている。引き裂きに強く、弾力性に優れているなど、10項目以上の特徴を上げる。
TEL:03-3843-0641


 村井

サステナブルな生分解性パーツをアピール

作業環境に配慮した無臭の接着剤や、靴の副資材でサステナブルに取り組む。先芯や月形、裏打ち材で、土に還る生分解性のエコなパーツを展開している。また、フットケア製品のインソールでは、快適な生活に貢献することを目的に、足の形状や脚の変形から生じる痛みなどを緩和するものを打ち出している。
TEL:03-3918-0181








 川村通商

人や環境に優しい糊、パーツを提案

作業者の人体に無害な、無臭の革用水性のり「ECHO P−208」を、デモンストレーションを交えてアピールした。また、土に還るカウンター・先芯材として、優れた熱可塑性を持つ生分解性プラスチック「バイオレル」も発表した。
TEL:03-3861-4171




 チカオ

天然コルク樹皮でエコ&機能素材をアピール

8〜10年で再生される天然コルク樹皮を使い、製品やパーツに加工することで、サステナブルでエコな提案をしている。靴ではアッパーに使った参考商品を展示するほか、軽量なウエッジソールやインソールにも加工して提供している。インソールではクッション性や通気性といった特徴もある。
TEL:03-3874-2111




 コロンブス

皮革製品が長く使える「防汚コーティング剤」

皮革製品の廃棄などによる環境負荷を少しでも減らせるよう、防汚コーティング剤を参考出品した。素材の表面の保護や汚れを防止することで、皮革製品を長く使うことができるようにするもの。同時に傷や汚れを補修することで、長く使えるよう、リペア&リユース製品も提案した。
TEL:03-3844-7117