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地域に密着 シューズショップカメヤ(横浜市・保土ヶ谷区)

ダンスシューズのコーナーあり。客単価1万円台の固定ファンつかむ

健康的でおしゃれな70〜80代が中心

 横浜・保土ヶ谷区の松原商店街にある「シューズショップカメヤ」は、1965年ごろからこの地に開業している老舗の路面店。時代に対応した戦略と地域ニーズにあった品ぞろえで、長年がっちりと固定ファンをつかんでいる。三代目オーナー・伊藤彰芳さんの経営のモットーは「地域性に根ざさないと生き残れない」というものだ。
 地域性を際立たせているのが、ダンスシューズのコーナーを設けていること。1996年に公開された映画「シャル ウィ ダンス」の大ヒットで社交ダンスのブームが到来、これをきっかけにダンスシューズを扱い出した。
「ダンスシューズは70種ほど扱っていますが、ブームの全盛期は今より3倍くらいありました。ご夫婦で楽しまれるケースも多く、商売的にはよい時期でした」(伊藤オーナー)。
 社交ダンス用のシューズは、ブーム最盛期のころには多くの店で売られていた。しかし、流行が下火になるとやめるところが出てきて、ダンスを継続して楽しんでいる人にとって、「カメヤ」は心強い存在になった。
 社交ダンスをたしなむ年齢は70〜80代が中心になる。ダンスをすることで若々しい体を保ち、ファッション的にもおしゃれだ。販売面に見れば、高めの商品単価が見込める。
「ダンスをやる人はここに来ないと、と思っていただいている。遠方から来店されるお客さまもいます。ついでに他の靴やバッグなどを買ってもらえるというケースもあります。ネットより口コミで当店の情報を広げていただいている点もありがたい」。


ワンランク上の満足感を味わってもらう

「シューズショップカメヤ」は、来店客の多様なニーズに応えられるように幅広く品ぞろえしているが、30坪ほどという広さのため、時代の変化にあわせて、置く靴は厳選をしている。
 相鉄本線の「天王町」を最寄り駅とするため、神奈川の西側のほうから来店する人もいる。アクセスの利便性から海老名からの来店客も少なくないが、海老名は変貌著しく、最近は駅近辺に大型の複合商業施設やイオンもできてきた。品ぞろえでは商圏環境の変化も考慮し、高額品と低額品の二極化で購買層がかぶらないようにしている。
「当店の顧客の中には、百貨店で購入するようなお客さまもいます。高額品の客単価は1万から1万5000円ほど。大型商業施設とのすみ分けはできていると思います」。
顧客の男女比は、男性3に対して女性は7の割合。「お客さまが欲しがりそうな商品に、おしゃれで、ワンランク上の派手さを感じさせるモノ」をそろえることで、高めの単価を確保している。
「お年寄りの方も感覚は若いです。娘さんやお孫さんが派手なスニーカー履いているのを見て、自身も買いたいが、どういうのを買ったらいいのかわからない、というご相談を受けることもあります。ていねいなアドバイスなど接客面も含め、お客さまにはワンランク上の満足度をお届けしています」。

神奈川県横浜市保土ケ谷区宮田町1−4-6
TEL:045−331−1192