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特集 ファンを作る接客

銀座ヨシノヤ 銀座六丁目本店

チーム内の信頼関係を基に、チークワークのとれた丁寧な接客


スタッフ17名が連携し満足される接客で対応

 「銀座ヨシノヤ 銀座六丁目本店」には、17名のスタッフが在籍する。店長の岡安正弘さんは入社42年、店長歴21年のベテランで「高いフィッティングの技術と的確なニーズの引き出しで顧客を増やすこと」をモットーとしている。
4層の銀座六丁目本店は、各フロアに責任者が置かれている。海野リリ子さんは2014年に入社、若手だが1階のフロアマネージャーとして一目置かれる存在だ。
 銀座ヨシノヤの経営理念に「三徳主義」と言われるものがある。接客とこれに続くファンづくりの基本となるのが、この理念である。そして接客で大切にしているのが、チームワークだ。
 「チームワーク作りのためには、まずスタッフがお互いをお世辞抜きで褒めます。褒めるためには相手をよく見ないといけません。お客さまをお褒めするときも、アクセサリーのカラーや服装をよく見て、率直に褒める。お話しするうちに『自分を理解してくれている』と感じていただければ信頼関係が生まれ、ファンになってくださるのです」(岡安さん)。
 「お客さまとのお話しからのニーズを引き出し、雰囲気に合ったもの、お持ちでないものをお勧めする」のが接客の基本であり、極意である。
 チームワークの良さは接客に現れる。一人が接客していると、靴に合うバッグや服をお持ちする、履いてこられた靴を磨くなど、他のスタッフが自然にフォローに入る。「このお客さまは〇〇さんの担当」と思えばすぐに「〇〇をおよびしますね」とつなぐ。顧客と担当の双方を覚えていないと、これはできない。
 

ファンづくりに一役買うファッションイベント

 銀座六丁目本店には、靴のほかにウエアや帽子、バッグもあり、ワンストップで買いそろえられるようになっている。接客時には常時お勧めしていくが、イベントもよく行われていて、ファンづくりに一役買っている。
顧客向けに年2〜3回「ファッションフェア」と銘打って、カラー診断やトータルコーディネイト会、フォト撮影会などを行っている。カラー診断ではカラーコンサルタントがそれぞれに映りのいいカラーを教えてくれる。また、靴に合わせてスタイリストが服や帽子、バッグなどをトータルでコーディネイト。着こなしやポージングのアドバイスを受けてプロフォトグラファーが撮影、後日アルバムにしてお送りする。これは非常に好評だ。もちろん購入などの条件はないが、まとめ買いしていく顧客が続出している。
「お勧めするのは、お客さまに本当にお似合いになるものばかり。お話しからお持ちでないものやニーズも引き出していきます。お買い上げの際、『今度この服を着ていらしてくださいね』とお願いすると、本当に見せに来てくださるのです。お客さまの再来店のきっかけにもなります。そういった方がどのスタッフにも何人もついています」(海野さん)。
コーディネイト販売で重要なのが、商品知識とその共有だ。新商品の靴が入荷したときは全員で試着、「返りがいい」「ソフトタッチ」「この服に合わせたら」などスタッフ同士で意見を交換している。


「ヨシノヤシューフィッター」で接客レベルを上げる

銀座ヨシノヤの接客で欠かせないのが、高いフィッティング技術である。多くのスタッフがその場で足に合うように調整する。これは一朝一夕でできるものではなく、そのため社内資格「ヨシノヤシューフィッター」が整えられている。
銀座ヨシノヤの研修は、まず入社時に行われる。その3年後をメドに行われるのが、ヨシノヤシューフィッターの研修だ。講義と計測などの実習があり、その後15人ほどの足型をとる。さらに、全国の販売員を対象に「スキルアップ研修」もスタート。日ごろの疑問を相談するなど、実践的な内容になっている。
 「いつも笑顔が絶えないのが銀座六丁目本店のスタッフです。たとえ厳しい状況でも仲間意識を持ち、乗り越えていくのです」(岡安さん)。
 チームワークの良い丁寧な接客が、銀座ヨシノヤのファンを増やしていく。

東京都中央区銀座6−9−6
TEL:03・3572・0391