今月の記事・ピックアップ 2023・9
 フットウエアプレス >  異色店 MIHATO 渋谷109店
異色店 MIHATO 渋谷109店FB地下1階で44年のキャリア店。ハイヒール、ロングブーツが定番人気

20〜30代の働く女性に10センチ超ヒールが人気

 東京・渋谷の渋谷109地下1階にあるレディスシューズ専門店「MIHATO(みはと) 渋谷109店」。4000円台から5000円台までの商品を多く取りそろえ、おしゃれな女性たちにとって財布に優しいショップとして親しまれている。
 地域柄、訪れる客層は都会で働いている人たちで、年齢は20〜30代が中心で、ヒールの高い靴を求める人が多い。
「やはり渋谷109という立地があるのでしょう。夜のお仕事でショーにでる方とか、コンテスト系の方に認知されていただいています。また、外まわりの営業をされている方が、靴をはきつぶして履き替えるために訪れるケースもあります。そのためのコーナーも設けています」(高田曜平店長)。
 売れるヒールの高さは10センチ以上が多い。購入層は昔に比べて幅が出ており、数は少ないものの70〜80代もいるという。売れ行きのよい3900〜4900円あたりの靴は、在庫管理を徹底し、発注にも注意している。
「毎週メーカーさんに補充をかけないと間に合わないほど。渋谷の地域性を大きく感じるところです」。



薄利多売のセルフ販売から接客重視の方針に転換

「MIHATO 渋谷109店」は1979年に誕生した渋谷109スタート当初から入居、今年で44年の歴史を持つ。その間、幾多の流行の変化や景気の浮き沈みなどにさらされ、ファッションや渋谷の街の変遷とともに生き抜いてきた。「値段が高くてもどんどん売れたときとか、アムラーの流行でロングブーツなどが一年じゅう売れたときもあった」と振り返る。
 昔は薄利多売の方針で、セルフ販売を基本に、あまり接客をしないスタイルをとっていた。今でも合皮のシューズに特化して、価格の手ごろさをウリにしているところは変わらないが、顧客に寄り添うていねいな接客を心がけている。
「以前は、お客さまが好きな靴を箱から出して買っていく、といようなところがあった。それですとお客さまの情報がえられず、おざなりになっていた面もありました。お客さまの期待に応えられないどころか、109内の覆面の店舗調査などの結果を見ても散々でした。そこからみんな頑張って接客するようになり、店舗調査の点数も上がって来ました」。

今秋はショートブーツから始めてロングブーツも積極的に

 来店客には親身な靴選びをサポートするだけでなく、足に合うように専用の器具を使ってフィットさせることもある。また専門的なフィッテングや調整まではやらないものの、インソールのサービスも行う。そうした+αの接客で、しっかりと顧客満足度を上げている。
 今後の目標は「さらに商品ラインアップを増やし インバウンドも含めてより多くのお客さまにご来店いただくこと」。この秋はブーツの販売にも力を入れる。
「まずはショートブーツで5900円くらい、ロングでも1万円以下の値段で始めたい。問屋さんと話をすると、モノによってはMIHATOさん以外ぜんぜん売れない、という状況を聞く。でもロングブーツは扱います。109という場所柄もありますから」と話す。


東京都渋谷区道玄坂2-29-1 渋谷109 B1
TEL:03・3461・0055