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特集 上質室内履き

 シューマートつくば研究学園店(茨城・つくば市)

健康志向の人にワンランク上の商品が売れる

室内でも足をサポートするリラックスシューズ

サンドリームファクトリーがフランチャイジーとして展開するシューマート。つくば研究学園店は、つくば市の大型店舗が点在する郊外に、300坪の売場面積で出店している。この広さは同チェーンでは標準的な広さで、土日などは8人を超す販売員体制で対応している。
明るく広い売場の各所には、L字のポールスタンドにコーナー名が掲げられており、遠くからでも一目でわかるよう表示されている。すべてのコーナー名を表示するのではなく、「長靴」「介護靴」など普段から問い合わせの多い、生活に密着した目的買いの商品や、年配者を対象とした商品などを表示している。
通路角地でコーナー展開する「スリッパ」も、わかりやすい文字で表示されている。商品はパンジー、ホンシュ、オクムラ、ニッポンスリッパなど6社ほどで構成されている。
「コロナ流行以降、スリッパに対する価値観が変わってきており、スリッパもアーチサポートがあるもの、中心バランスが取れるものなど、健康志向で買われるようになっている。商品の機能や価値が説明できるものであれば、値段は問題にされません」(阿部謙一店長)。
品ぞろえの基準は、スリッパであっても、社是であるフットヘルスケアをサポート≠フ考え方に基づいた商品であること。靴を履かない室内でも、足をサポートするもので、精神的にもちラックスできるものとしている。スーパーやホームセンターの商品とは差別化できる、ワンランク上の商品を基本にそろえている。

「あしる」コーナーと連動し履き心地を体感してもらう

商品は1000円前後から3000円台前半の商品の他、オリジナル「S+(エスプラス)フットケアサンダル」は5000円を超える商品もあるが、売れ筋の主力価格帯は1900〜2300円だ。
オクムラの商品では「3Dコンフォート」と「リフレ」が人気だ。前者は体圧分散を可能とし、重心バランスを改善するスリッパだ。後者は4種類の商品があり、それぞれ違った足の部位を刺激する設計で、売場の床には試し履き用の商品を並べている。
商品の機能説明を表記した陳列ボードで展開しているのが、ホンシュの「TTT(トゥーサウザンドトゥエンティ)」。3000円を超える製品ながら、アーチサポートにより、ストレッチ効果が得られるものとして、スポートやウォーキングの後に履く癒し効果のある室内履きとして売れている。
パンジーの商品も人気で、スリッパタイプの他、カカトのある「パンジー・リラックス」が「スリッパ」のコーナーで提案している。「床を傷めないソール使いで、病院履きなどカカトがない履物が禁止されている場所や滑り易い場所で履かれています。介護シューズとは分けて、院内でも履けるリラックスシューズとして販売しています」。
「S+フットケアサンダル」は本来外履き用に開発されたものだが、足の障害に悩む人たちに室内履きとして提案している商品で、スーパーフィート≠装着することも可能な人気商品だ。同商品は「スリッパ」コーナーとは通路を挟んだ、「あしる」のコーナーに置かれている。「あしる」は足を計測し、カウンセリングを行うコーナーだが、ここで靴を脱いでいる時に「S+フットケアサンダル」を履いてもらい、快適性を体感してもらっている。

ソックスも扱い複数買いを狙う

「スリッパ」コーナーの品ぞろえは、一般的な商品もあるが、これまでの室内履きとは違う、健康をサポートする、付加価値のある商品に力を入れている。同時に「あしる」と連動した取り組みで、素足になった時にも足に優しい靴を提案している。
さらに、「スリッパ」コーナーからレジに向かう途中には、「靴下」を扱うコーナーがあり、靴+スリッパ+靴下という複数買いを促すようなレイアウトにしている。ここで扱う靴下の中には、靴下も岩盤浴効果のあるレッグウォーマーや膝、足首のサポータータイプなど、健康をサポートする機能商品を扱い、靴下でも健康志向のニーズに対応した差別化に取り組んでいる。

◇茨城県つくば市学園の森2―1
TEL:029−893−4492





 無印良品(板橋南町22店)

インテリアのアクセントとしてシーズンカラーも加えて提案


板橋区と包括連携協定を結ぶ都内屈指の大型路面店 


 都内では最大級の大型路面店として、「無印良品 板橋南町22」が昨年11月にオープンした。最寄りの東京メトロ「要町」駅からは徒歩10分ほどで、大きな幹線道路沿いに位置するため、自動車などでの来店も多い。同じ敷地内にはスーパーマーケットやドラッグストアもあるため、ワンストップでショッピングができる。
すぐ裏手には住宅街が広がり、お客さまの生活に近い存在≠ニして、より人と地域がつながれる「コミュニティーセンター」としての役割も果たす。
同店舗は、板橋区と包括連携協定を結び、資源回収ステーションや防災コーナー、授乳やオムツ替えができるスペースも設置。地域文化の発信や地域経済の活性化も推進するなど、新しい取り組みが注目されている。
フロアは4層構造で、計1187坪という広さ。ルームシューズは4階の大型家具やインテリア売場の中に並べられている。ソファやテーブルが並ぶ中、壁面いっぱいに展開されたルームシューズが圧巻だ。ユニセックスでも使えるよう、サイズは「M」「L」「XL」の3つが用意されている。

秋冬の注目商品は軽くて暖かいブーツタイプ 

これからの時期に不可欠な暖かアイテムとして、ボア部分にウールを使用した「ルームブーツ」を提案。インナーにはマイクロファイバーを使い、軽く優しい肌触りに仕上げられている。「綿フランネル」素材のルームシューズは、かかとまでをホールドする、足を包み込むタイプ。チェックのカラーはシーズンごとに変化させ、インテリアのアクセントになっている。
肌寒くなる10月中旬から展開するのは、「ダウン素材」の足首まで包むハイカットのルームブーツ。こちらには資源循環の取り組みの一環として、再生素材の生地(再生ポリエステル)とリサイクルダウン≠使用している注目のアイテムだ。
売場で定番的な人気の「洗えるクッションスリッパ」は、カップインソール付きで履いた時にずれにくい設計だ。踵を合わせて履くことで、安定感のある履き心地が得られる。底には滑りにくいコーティングが施されている安心な商品となっている。


普段も災害時も履ける「防災スリッパ」

「防災コーナー」で展開しているのが、災害時に釘やガラスの貫通を防げるよう、踏み抜き防止シートを入れた「防災スリッパ」。普段でも履けるデザインながら、いざという時はかかとを守って靴のように歩けるゴム付きだ。
同製品は、実際に、被災された人々の声をヒアリングしながら開発されている。暗闇のなかで逃げても簡単に脱げず、足を守るためのスリッパは不可欠という意見をカタチにしたという。
「これからの季節、足元を暖かく快適に過ごしていただくために、さまざまな形・素材のスリッパ、ルームシューズを取りそろえています。それぞれの形で仕様や機能は異なりますが、取りそろえているアイテムの全てが、家庭の洗濯機で洗濯していただけるのも大きな特徴になっています」と担当者は話す。


◇東京都板橋区南町22-14  
 http://www.muji.com