今月の記事・ピックアップ 2023・11
 フットウエアプレス > バッグあっとらんだむ JAPAN LEATHER SHOWROOM 

サステナブルな取り組みを皮革・革製品でアピール

 合同展示会「ファッションワールド 東京(FaW TOKYO)2023 秋」の「サステナブルファッションEXPO」のブースで、今回新たに健康や美容にまつわる「ウェルネスファッションEXPO」のコーナーが新設され、ここに皮革産業連合会のブース「JAPAN LEATHER SHOWROOM」が設けられた。
ブースでは、食肉の副産物である皮≠捨てずに、なめして革≠ノ変えていること。また、その革を製品として使うことで廃棄や焼却を減らし、結果的に脱炭素につなげる、といった革製品の本来のサステナブルなポイントを、わかりやすくカラフルなブースで訴求していた。
製造工程において安全性や環境対策などを厳格な基準で審査する「レザー・ワーキング・グループ(LWG)」の認証を、国内で2番目に取得した山陽は、環境に配慮したレザーを展示した。また、富田興業はワインのポマース(絞りかす)や緑茶の茶殻を染色剤に活用した「レッザボタニカ(LEZZA BOTANICA)」などサステナブルなレザーのラインアップをアピールした。


新たな取り組みで皮利用や革製品を発表

プロダクトブースでは、北海道で有害捕獲されたエゾシカの皮をなめして、道内でバッグや手袋などの製品を製造している「ニール(EZO PRODUCT)」を発表した。特に鹿革の手袋は作業中でも滑りにくく、プロフェッショナルな仕事の方から支持を集めている。
「moja−kawa」は、裁断から縫製まで、手作業・手縫いにこだわった革製品を製作。革そのものの魅力と経年変化を楽しめるよう、使う人それぞれに寄り添ったライフスタイルアイテムを提案した。
他にも、ソールが交換できる国産スニーカーの「ブライトウエイ」や、カラーオーダーシステムを採用し、無駄な在庫をできるだけ作らない「U−DOT」を展示した。こちらでは、不要となったU−DOTの靴を回収し、特殊技術で粉砕した後、靴資材やディスプレイなどの建築資材に再利用する試みもスタートした。
兵庫・豊岡からはウノフクが「レクレド」を出展した。同社は環境配慮型素材を使用したかばん、袋物、財布の製造販売を行い、豊岡市の環境経済事業の認定を受けている。
近年、アップルレザー∞コーヒーレザー≠ネど廃棄される食品を再利用した代替え素材が広がってはいるが、皮をなめした革が、太古からあるサステナビリティの本流。今の時代に合ったレザーで、新たな革製品を打ち出したい、という声が各ブースから聞こえていた。