今月の記事・ピックアップ 2023・12
 フットウエアプレス >  2023年版 靴・バッグ ヒット商品番付


 市場で話題となるような、際立ったヒット商品は無かったものの、外出機会が増える中で、カジュアル商品が好調に動いた。多彩なデザインやカラーのスニーカーがさらに市場で拡大した一方、ローファーやフラットなパンプスも支持された。昨年登場して注目された、立ったまま履ける靴は、今年もさらに売上げを伸ばした。
■ (L…レディス、M…メンズ) 

横綱 : 厚底 L

 スニーカーの人気はここ数年続いている。グローバルブランドが市場をリードしているが、ファッションとして履かれるなかで、今年は厚底が人気で、ヤングだけでなく、幅広い層から指示された。ハイテクなイメージの一方、クラシックなデザインでの厚底も人気に。「コンバーズ」のカラー展開も人気となった。



大関 : ローファー L

カジュアル、エレガンス、二極化したテイストでローファーが履かれた。若い人たちが支持したカジュアルタイプは、厚底・プラットフォームがトレンドとなって動いた。エレガントできれいなビットタイプや、大きめのアクセサリーのついたローファーも、キャリア層などに支持された。






大関 : レジャー&アウトドア履き M L

 昨年後半から外出機会が増え出し、今年のコロナ5類移行後、旅行用やレジャーで履く、ライトなアウトドアタイプやミセスのウォーキング調カジュアルの需要が増えた。アウトドアの定番の「メレル」や「キーン」は引き続き人気で、クライミングシューズはさらに低価格品も登場し、タウン履きとなった。






関脇 : サンダル L

 シーズン商品でもあるサンダルが、暑い夏が例年になく永く続いたことで、例年以上に求められて。カジュアルからエレガントなタイプまで、さまざまなデザインが登場した中、インジェクションタイプの鼻緒サンダルが、フラットやプラットフォーム・タイプで売れた。また、グルカサンダルも昨年以上に動いた。





関脇 : フラット&ロー・パンプス L

 圧倒的なスニーカー人気の一方で、パンプスを履く人も増えているが、ヒールパンプスではなく、フラットやローヒールタイプなどが支持されている。スニーカーの履き心地になれた人が、通勤履きとして履くケースも見られ、足に優しく、疲れにくいことが理由の一つ。ワンポイントのアッパー飾りも目立つ。




小結 : イージーフィット M L

立ったまま履けるイージーフィット・タイプのシューズ。TVコマーシャルにも登場し、衆目を引いた。なかでも「スケッチャーズ」は2倍以上の伸びを見せたといわれている。また、チヨダの「セダークレスト」の同ライプは、今期50万足の販売見込みと発表している。同タイプの商品も増えている。





前頭1:ブーツ L

 一昨年ごろから冬のシーズン商品として再浮上してきたブーツ。昨シーズンはショートやハーフタイプが主力だったが、今シーズは立ち上がりからラギッドソール(凹凸のあるソール)や厚底使いのカジュアルなロングブーツがヤングに支持され、ショートからロングまで動いた。カラーは黒と白系に2分された。





前頭2 : ニット&メッシュ・スニーカー L M

 すでに市場ではカジュアルの定番商品として、幅広い層に履かれているニット&メッシュ・スニーカー。優しいフット感と脱ぎ履きが楽なこと、夏場は清涼感が得られる、などでここ数年売れている。今年はスニーカーのトレンドの厚底タイプも登場し、ミセスも普通に履く商品となっている。





前頭3 : 雪駄 M

 今年は各地の夏まつり・花火大会が解禁され、ゆかた姿の若者が増えた。足元は、男性は雪駄を、女性は下駄を履くなど、和装履きで広がった。雪駄では、伝統的な表に限らず、ポップな柄や色使いもので、底がスニーカーソール調のものが人気となり、夏場のカジュアルシューズとして売れた。









前頭4 : SDGS提案商品

タグ表示や売場での説明が必要だが、SDGSやサステナブルは取り組みでアピールする靴が増えた。グローバルなスニーカーではペットボトルの再生素材を使ったモノが発表されている。革製品では体に優しい、土に還るなどのほか、駆除された害獣を使った製品などが登場し、環境に優しい取り組みを訴求している。






 

スーツケースの需要が急拡大。リュックからショルダーに移行

  コロナが5月に5類感染症へ移行し、一気にトラベル需要が拡大した。併せてインバウンド需要も戻り、大型のスーツケースやボストンバッグが本格的に動き出したが、急な戻りからケースの品不足も見られた。これまで人気のリュックは、ショルダー系へと人気アイテムがシフトし、メタリックな色使いが実売として動いた。

横綱 : スーツケース、ボストン L、М 

 インバウンド層も復調もあり、売場は外国人旅行者のニーズも取り込んだ。特に大型サイズの需要が高まり、業界的にも品薄状態が続いた。ケースだけでなく、ナイロンボストンや大ぶりのトートなど布帛ものも同時に動いた。東京デリカでは、東京駅に人気キャラクターのトラベル製品を集結させた「キャラトラステーション」をオープンした。




大関 : ミニショルダー L  

 コロナ期間は、リモートワークもあってパソコン収納ができるリュックが動いていたが、今年はリュックが一段落し、ショルダーにシフトしてきた。スマホショルダーよりも少し大きめで、コンパクト財布とスマートフォン、プラスアルファが入るやや余裕のあるサイズ感が人気となった。コートの内側でもかさばらない薄マチもポイント。




大関 : メタリック、ゴールド L 

全体的にシンプルなデザインが支持されたが、素材ではメタリック、ゴールド、シャンパンなどのキラキラした素材感が人気に。バッグだけでなく、革小物でも光沢加工を施したラインアップが目立った。ナチュラルテイストを打ち出すブランドでも、ゴールドの差し色でひとひねり加えた。




関脇 : スマホストラップ L、М 

昨年までのスマホポシェットがさらに使いやすくシンプルのデザインに進化し、「スマホケース+ストラップ」の組み合わせが若い世代から大ヒット。はじめはレザーストラップがメインだったが、徐々にパールやプラチェーンなどバリエーションが拡大し、一気に低価格化が進んだ。





関脇 : シンプルトート L 

トレンドに左右されず、長く使えることもあってか、今年はシンプルなトートバッグが売上げを底支えした。帆布×革付属や、幅広テープをあしらったものなど、ちょっとした買い物や散歩などで持てるデイリーなアイテムとして不可欠に。ショルダーを付けて斜めがけできるタイプもよく動いた。




小結 : がま口タイプ L  

 若い世代にとっては新鮮なレトロ&ビンテージのディテールとして、がま口も根強い人気アイテムとなった。本体と色を合わせ、大きなヒネリ金具をあしらったショルダーのほか、ヒネリをつけない“押し口”というがま口も、使いやすさと新鮮さでヒットした。やさしいニュアンスカラーのバリエーションが支持された。






前頭1 : ポップコーンワッフル L 

 お菓子ではなく、ポコポコした表面感のバッグ素材のこと。最初はアパレルで広がった素材だが、今年はバッグへと応用され、軽量感と大容量なこともあって、幅広い世代に支持された。シワにならないことから、折りたたんでエコバッグとしても活用する人も少なくなかった。




前頭2 : メッシュ素材 L  

クラフトディテールとして人気のメッシュだが、2倍の革を使うことから重たさで敬遠されてきた。だが最近では、差しメッシュなどの技法で軽量化が図られ、改めて良さが見直された。また精巧なメッシュの型押しも登場し、気軽にメッシュ柄を楽しめることも人気の大きな要因となった。





前頭3 : “同窓会”バッグ L  

今年の秋は数年ぶりの“同窓会イヤー”といわれているとか。酷暑が過ぎた秋からはお出かけ需要が本格復活し、店頭には“同窓会バッグ”を探す女性が目立った。普段使いのリュックや布帛ものではなく、少し小ぶりでシンプル&エレガントなデザインで、シルバーやペールカラーなどきれいめ色もポイントに。




前頭4 : アフリカンプリント L  

アフリカの経済支援の一つとして、アフリカンプリントを使ったバッグなどを作るクリエイターなどが増えている。購入が支援につながるだけでなく、地域・部族によってさまざまな柄があり、好きな人にはハマる世界となった。コロナも収束し、元気な柄で気分を明るくしたいということもあった。