今月の記事・ピックアップ 2023・12
 フットウエアプレス > 地域専門店 健康靴のプティメゾン   
地域専門店 健康靴のプティメゾン(千葉・八千代市)

足と靴に悩む地域住民のニーズに応え、靴のほか体にいいソックス、杖なども扱う

靴は国産とインポートで1万〜4万円台まで展開

 「健康靴のプティメゾン」は、都心から京成線で30分ほどの八千代台駅の駅前にある、1999年にオープンした約11・5坪の路面店だ。オーナーの古谷瞳さんが、「足と靴に悩む多くの方々のニーズに応えたい」と始めたショップである。
 靴は「レジェロ」(オーストリア)、「ロメール」(イタリア)、「アサヒフットケア」「アサヒメディカルウォーク」、[[フィンコンフォート フィンナミック」、「ガンター」など国際色豊か。
今季のお勧めは「レジェロ」のショートブーツで、履き口にストレッチ性のあるフェルトを採用し、中に柔らかなウールを貼っていて暖かい(4万4000円)。レジェロは細身に見えるが足入れするとゆったり感があり、ホワイトスニーカーなど流行も押さえている。グリップ力の高いヴィブラムソールを採用しているため、ちょっとした山道でも履くことができる。
 ショップの特色は、靴だけでなく帽子、バッグ、靴下、杖、化粧品などの小物もそろえていることだ。主要顧客層である60〜80代の女性がワンストップで買い物ができるように工夫している。靴は輸入靴が3〜4万円台、国産靴がT万円台だが、帽子など4000〜2000円台と手頃な価格におさえ、手に取りやすくなっている。
 「力を入れているのがソックスです。テーピング編みは横と縦のアーチを作る特殊な靴下で、扁平足や外反母趾にいい『楽チンウォーキング』や、ふくらはぎを締めることでむくみや静脈瘤を防に効果的な『ソックウエル』などは人気商品。ソックウエルは立ち仕事の方に向いていて、メリノウールを使っているために蒸れにくく、夏でも快適に履くことができます」(古谷瞳さん)。



それぞれの顧客に即した楽しいトークとアドバイス

 もう一つの、そして最大の特色が古谷さんの持つさまざまな情報と楽しいトークだ。その知識は靴の商品情報に止まらず、一人ひとりの状況に合わせて生活や地域の情報全般に及ぶ。
 「足の長さが左右異なる方もご来店なさいます。昔は出産時に股関節脱臼した新生児がそのまま成長してしまい、それが原因で成人になってから股関節に痛みや脚長差が出るケースがありました。当店はそのようなケースにも対応しています」。
 「寝るときに足が冷えるなら、カイロを入れるよりレッグウォーマーをして寝るといいですよ。そのほうが、自分で自分の体を暖めやすくなります」。
 「杖の高さは、身長÷2+2〜3センチがいいそうですよ。悪い方の足の反対側で突くと歩きやすいです。使い方って、普通のお店では教えてくれませんよね」。
 そんな古谷さんとの会話が楽しくて、頻繁に来店する顧客もいるという。
 ただし、コロナ禍を経て顧客層は大きく変化した。コロナ前は近くの花見川団地のミドル〜シニア層が多く、どんどん旅行に出かけていくようなアクティブな人たちが目立っていた。だが、長期間家に閉じこもっていたためにアクティブさは失われ、来店が減っている。そのかわり、もう少し若い層にファン層が形成されつつあるという。取材時も、「シニアのお母さまと2人の息子さん」の一家3人が靴の修理と新しい靴のオーダーに訪れていた。
 今、古谷さんはさらにワンステージ前も進もうとしている。勉強して「メンタル心理カウンセラー」と「上級心理カウンセラー」の2つの資格を取得したのだ。
 「数年前からお客さまから相談事が多いなあと思っていました。鬱っぽい症状や将来の不安から、色々悩まれている方がいらっしゃいます。『受容』『傾聴』『共感』に意識しながら話を聴くなど、勉強しなければ気づくことができませんでした。もともとお客さまとお話するのが大好き。この資格が今後の接客に生かせればと思っています」。
 
千葉県八千代市八千代台西1−7−2
TEL:047・482・7937