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バッグあっとらんだむ 「O−round(オーラウンド)」 大阪で初開催された靴・皮革産業を紹介する街歩きイベント

 靴のまち大阪・浪速区、西成区を中心に、11月4、5日に靴と皮革の祭典、大阪「O−round(オーラウンド)」が開催された。
大阪は浅草と並び、靴・皮革産業の一大産地として発展してきた歴史がある。だが近年のグローバル化、少子高齢化、ネット社会化による流通の劇的な変化によって、大阪の靴・皮革産業も大きく揺らいでいる。
そこで、浅草で開催されている地域イベント「A−round(エーラウンド)」を参考に、大阪でも開催しようと「O−Round(オーラウンド)実行委員会」が立ち上がった。「今だからこそ地域の歴史≠ニいう原点に立ち返り、地場産業の魅力を再発見したい」という想いが、このイベントには込められている。

子供から大人まで多くの人がワークショップなどを楽しむ

イベント会場は、大阪環状線の芦原橋駅からほど近い「エスペランサ靴学院」、西成製靴塾のある「鶴見橋商店街」、レンタルスペースの「YOLO BASE」、「芦原橋駅高架下」の4ヵ所で行われた。
2階建て校舎のエスペランサ靴学院では、靴作りを学ぶ生徒たちの作品がフロア内の各所で展示された。また、靴づくり体験講座、革の手染めワークショップなども開催され、大阪・生野区に本社がある「リゲッタカヌー」のブースもオープンした。ここでは白いリゲッタカヌーを、布用の絵の具で自由にペイントするワークショップが実施され、子供から大人まで思い思いの色を塗り、作品を持ち帰った。


東西約1キロに広がる鶴見橋商店街にある「西成製靴塾」では、西成高校公認の靴づくり部NSC(Nishinari Shoe Club)が、靴磨きを実施した。また、難波の隠れ家的靴磨き店「PLSB」によるビンテージシューズの販売や、靴のアウトレットセールなどを同商店街の一角で開催した。
「YOLO BASE」会場では、主に大阪ならではの食物販と、ポップな服や雑貨などのショップが並んだ。
どの会場もマップを片手に、回遊する人が目立った。
 「沢山の人達に支えられ、多くの方のご来場があり、心から嬉しく思います。昨年のエーラウンドに、エスペランサ靴学院で出展したことをきっかけに、今回のオーラウンドとの連携が実現しました。オーラウンドを通じて、地域の人との繋がりの大切さや素晴らしさを、改めて実感することができたと思います」と、ロカシューの代表で、オーラウンド実行委員代表の大山一哲さんは熱く語る。
来年のオーラウンド開催では、さらに多くの参加団体や来場客を見込む。