今月の記事・ピックアップ 2024・6
 フットウエアプレス > 店長の仕事 紺野 大地 さん(ブロック 幕張新都心店 店長)

幼児から90代まで幅広い顧客を抱える

 京葉線幕張豊砂駅前のイオンモール幕張新都心内にある「ブロック」幕張新都心店(売場面積約28坪)は、「オーダーメイドとインソールの専門店」をコンセプトに、「暮らしを支える足と靴のスペシャリスト」であることを掲げている。品ぞろえも自社のオリジナル商品をはじめとし、「ミズノウォーキング」「ヨネックスウォーキング」「アサヒメディカルウォーク」「フィンコンフォート」「MBT」のほか、アウトドアの「キーン」などのブランドをそろえる。
 「顧客の年齢は広く、特色としては子供靴に関するご相談が多いことでしょうか。また、MBTにも多くのファンがついています」(紺野大地店長)。
 接客は足のチェックからスタート、足長と足幅を測定し個々人の足の特徴を見ていく。その後、カウンセリングなどでどんな悩みがあるのかを把握、要望に近い靴があれば選んでいく。ポイントは「お好み、足の状況、予算」を考えつつ提案するということ。ただ、「自分に合う靴がわからない」場合も少なくないので、そのときはイチから提案していくことになる。
整形外科などの医療機関からの紹介もある。珍しいのは、歯科医院や皮膚科医院ともコンタクトがあることだ。歯科医院の場合は院長が同店の顧客で、「足元と歯並びは関係する」と子供から大人までさまざまな方を紹介してくれる。フットケアを手掛けている皮膚科医院からは、巻き爪やタコ、ウオノメで悩む方々が来店する。紺野店長は、こういった足の悩みに日々真摯に向き合っている。

接客力と知識が必要なMBTと子供靴が主軸

子供靴もMBTも、接客力なくしては販売が難しく、置いておくだけで売れていくというものではない。
「フィッティングをした後に、鏡の前で立ち方や歩き方のポイントをレクチャーします。当店はMBTをめがけて来店する方も多いのですが、販売する側にきちんとした知識が必要です。合わない方もいらっしゃって、使いこなせないと無理が生じてしまいます。スタッフが見極めていかなければなりません」。
子供靴は「アシックス」「スーパーフィット」などを置いている。発達過程の子供の足は変化が大きく、把握が難しい。だが、やりがいのある分野でもある。
昨日、一歳半のお子さんが来店したが、つま先がひっかかるような歩き方をしている。スーパーフィットに切り替えたところ、歩き方が改善されてかかとで着地できるようになった。「靴を替えただけでこんなに体の動きが違う」とお母さんも大喜びで、紺野店長も大いにやりがいを感じたという。



シューフィッターや義肢装具士の専門家集団

同店のスタッフは4人ほどで、会社の勧めもあってシューフィッターの資格を持つ人も多い。紺野店長もシューフィッター、幼児子供シューフィッターの2つの資格を持っている。店舗には義肢装具士も在籍していて、いわば専門家集団だ。しかし、今の技術に満足することなく、全員が常に「学習して情報をアップデートする」という姿勢を持つ。会社が勉強会を開くこともあり、また店舗を巡回してくる村田由一社長からも学ぶ。
「店舗として、会社として方向性が定まっていることが大切だと思っています。それは、判断の基準や理由付けがきちんとしていることを意味します。扁平足を例にとってみると、単に(インソールの)アーチが上がっていればいいのではなく、どういう形で上がっているのか、どういう靴に入れていけばいいのかなど、いろいろな方向から考えなくてはなりません。体型など状況によって対応の仕方が変わってきます。どのスタッフも似たような対応ができ、お客さまのご希望に沿えるようにしていきたいです」。
 開店から7年、周囲の店舗の多くが交代して去っていった。
 「だからこそ、ここに居続けることに意味があるのです。お客さまからも、『残っていてくださいね』といわれます。日ごとにレベルを上げ、多くのリピーターに来ていただきたい」と、紺野店長は考えている。

千葉県千葉市美浜区豊砂1-1
イオンモール幕張新都心グランドモール1F
TEL:043・296・2222